教員採用試験の勉強法・対策のコツやスケジュールを元教師が徹底解説します。
教員採用試験の勉強は何から、いつから始めたらいいかわからない方に向けて、教採に1発合格した教員(公立高校・国語科)の方からコツを伺いました。
筆記試験から論作文、面接対策のポイントだけでなく、効率的な勉強スケジュールについてもお伝えします。教員採用試験に合格して先生になりたい方はぜひ最後までご覧ください。
教員採用試験の勉強法|筆記・論作文・面接対策のポイントを解説
教員採用試験の勉強法について筆記試験(一般教養、教職教養、専門教養)、論作文、面接対策のコツやポイントを解説します。
一般教養の勉強法
一般教養とは、いわゆる主要5教科(国数社理英)の試験です。教員として必要な基礎学力が試されます。
まず、受験する自治体の過去問を数年分解いて問題傾向をチェックし、苦手分野を集中的に学習しましょう。
苦手教科は中学生用の問題集や高校入試問題を何度も解き直すことで、次第に解けるようになります。
基本的に高校入試レベルが解ければ問題ありませんが、直前にあわてないよう早めの復習が肝心です。
教職教養の勉強法
教職教養とは、教師が身につけておくべき教育についての教養を問う試験で、「教育原理」「教育心理」「教育法規」「教育史」に大別されます。
最近は、文部科学省や中央教育審議会の答申、各自治体の教育方針などについての問題も増加傾向です。
教職教養対策では、まず一般教養と同じく、受験する自治体の傾向分析が重要です。
「教育時事の問題が多い」「教育史はあまり出題されない」など、各自治体の傾向に合わせて対策しましょう。
教職教養の勉強の流れ
- 各自治体の過去問にもとづいた参考書で学習
- 問題集で定着を確認
- 解けなかった問題を参考書に戻って再チェック
基本的にはひたすら「暗記」です。
次第に参考書の中で「試験によく出る問題」「自分がよく間違う問題」が見えてきます。頻出問題や苦手問題をつぶすつもりで暗記を繰り返しましょう。
とくに教育法規は攻略に時間がかかります。
できれば1年前くらいから学習を始め、過去問を10年分解いて重要ポイントを抽出し、徹底暗記することがおすすめです。
専門教養の勉強法
専門教養(専門科目)は、小学校であれば音楽や図画工作も含めた全科、中学校・高等学校であれば国語・数学など自分の専門教科の試験です。
小学校全科は高校入試~高1程度、中学高校の専門教科は大学入試程度のレベルが求められるのがほとんどです。
小学校全科は一般教養と重なる部分がありますし、中学高校の専門は多くの受験生にとって一番の得意科目であることが多いので、比較的取り組みやすいですね。
苦手分野を中心に過去問や大学入試問題などを解き、カンを取り戻しておきましょう。
加えて、専門教科の学習指導要領の内容理解も問われます。教職教養と同じく、暗記と問題演習を繰り返して定着を図りましょう。
論作文対策
論作文では、文章力だけでなく、教職への熱意・人間性・論理的思考力や発想力が評価されます。
模範文例が掲載されている参考書を手に入れ、受験する自治体の傾向と似た設問の解答例に目を通しましょう。どんなことを書けばよいかがつかめます。
よく出てくる教育用語については必ず調べて理解し、使いこなせるようにしておきましょう。
あとはひたすら書くことで時間配分も含めた練習を繰り返しますが、書いたものは大学の指導教官や就職対策室の担当者など、教員採用試験について詳しい人に添削をしてもらうのが一番です。
自分では気づかない欠点を指摘してもらうことで、よい論作文が書けるようになります。
面接対策
面接では、教員として児童・生徒や保護者に信頼される資質があるかどうかが試されます。
身だしなみやマナーが良く、話す内容が立派でも、それだけでは合格できません。
- ハキハキと元気であること
- 落ち着いた温かい対応ができること
- マニュアル通りではなく自分の頭で考え、筋道の通ったわかりやすい話し方ができること
上記を意識して練習しましょう。
小手先の練習ではなく、自分の中に「教員としての考え方、覚悟」をしっかり持つことが大切です。軸が定まれば、イレギュラーな質問にも自分なりの回答ができます。
自分軸を定めるためには、過去の面接で尋ねられた内容について、自分の考えをノートに詳しく書き出していくことをおすすめします。
丸暗記するのではなく、自分の「核」をしっかり作っておくためです。あとは練習を繰り返して、面接のやり取りに慣れておきましょう。
教員採用試験の勉強スケジュール|いつから、何から始める?
教員採用試験の勉強をいつから、何から始めたらいいのか、勉強のスケジュールを解説していきます。
①受けたい自治体の試験内容・スケジュールを把握する
教員採用試験は自治体ごとに試験が異なります。
自治体によっては、一般教養試験や論作文を実施しないところもあるので、勉強を始める前に必ずチェックしましょう。
②勉強のスケジュールを立てる
教採対策は、できれば1年前から遅くとも10カ月くらい前から取りかかりましょう。
まずは筆記試験対策から始め、次第に論作文や面接練習の比重を上げていくと、筆記試験対策で学んだ知識が論作文や面接で生かせるのでおすすめです。
まずは筆記(一般教養、教職教養、専門教養)対策が最優先です。並行して論作文、時間がない方は1次試験が終わってから面接対策など優先順位をつけましょう。
③過去問を解いて自治体の傾向を把握する
筆記試験・論作文・面接のいずれも、受験する自治体の傾向を把握することが第一歩です。
出題内容だけでなく、出題形式にも注意が必要です。
正誤判断の問題が中心であればざっくりした理解でもある程度解けますが、空欄補充問題であれば語句の正確な暗記が求められます。自治体の過去問の出題形式をとらえ、同じ形式の練習を重ねましょう。
もちろん、解きっぱなしはNGです。間違った問題は必ず参考書に戻って確認しておきましょう。
④論作文・面接対策をする
論作文・面接の対策は筆記試験対策がある程度進んでからになりますが、少なくとも半年くらい前からは本格的に始めることをおすすめします。
ただ、前述したとおり、小手先の勉強ではなかなか太刀打ちできません。
できるだけ早い時期から心構えを作り、教員としてどう考え、どう行動するべきかを意識しておきましょう。
教員採用試験の勉強法・スケジュールまとめ
教員採用試験の勉強法について解説してきました。
本当に合格したいなら、覚悟を決めて徹底的に勉強しましょう。
もちろん楽ではありませんが、あなたという先生を未来の教え子たちが待っています。
ぜひともやり遂げて、合格をつかんでください。ご健闘を祈ります。
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