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高校教師の一日のスケジュールと実際の仕事内容を元教員が解説

高校教師の一日のスケジュールと実際の仕事内容を元教員が解説

高校教師は小学校や中学校と比べると落ち着いていて楽なイメージがありませんか?

この記事では、偏差値30~60台の複数の高校で勤務してきた私が高校教師の1日のスケジュール(流れ)と実際の仕事内容を具体的に解説します。

私立学校の例を挙げますが、公立学校でも同じような流れで一日が進みます。これから高校教師になる方や校種選びに迷っている方は参考にしてくださいね。

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高校教師の一日のスケジュール・仕事内容(ある私立高校の場合)

高校教師の一日のスケジュール(ある私立高校の場合)

高校教師(ある私立学校)の一日のスケジュールは下記になります。

ある私立高校教員の1日の流れ

  • 6時半 バス指導開始
  • 7時半 学校到着・授業準備や雑務
  • 8時20分~35分 職員朝礼
  • 8時40分~50分 SHR
  • 8時55分 午前の授業開始
  • 12時45分 昼休み
  • 13時20分 午後の授業開始
  • 15時10分 SHR
  • 16時 部活指導
  • 18時 部活終わり・授業準備など開始
  • 20時 退勤

授業はもちろんですが、空き時間にはさまざまな業務をこなしています。具体的にお話していきますね。

6時半 バス指導開始

私立高校でスクールバスが出ている場合、乗車指導を行います。

荒れてる学校だと近隣からクレームが来ることもあるので整列させたりマナー違反がないかチェックします。

落ち着いている学校はバス指導はないかもしれません。

7時半 学校到着・授業準備や雑務

係りの先生は正門に立って生徒に挨拶(指導)します。

他の先生は授業準備や雑務を忙しくこなします。朝食タイムな方もちらほら。

8時20分~35分 職員朝礼

職員朝礼で職員に伝達事項を確認します。

その日欠席する教員の有無や理由、授業の代理決め、生徒に朝のホームルームで伝えるべき事項を整理していきます。生徒に配るべきプリントが配布されることもあります。

学校によってはクラウド上(決められた人しかアクセスできないパソコン上の環境)にプリントをアップしておき、必要ならば印刷して生徒に配布してねというところも。

また、この朝礼には基本的に非常勤講師の方は参加しません

8時40分~50分 朝のホームルーム

担任を持っている先生は教室に行って生徒の出席を確認し、職員朝礼での伝達事項を伝えます(担任の先生がお休みの場合は副担任、どちらもいない場合は学年主任が代行します)。

大体時間が余るので1分スピーチなど教員独自の決まり事を行うクラスもあります。

あまりにも自由時間が長いと落ち着きないまま1時間目に突入してしまい、ちょっとやりにくく感じることもありました。

8時55分 午前の授業開始

教員の仕事の要、授業を行います。

  • 高校教師は1週間に大体16~18コマ(1コマ=45分か50分)の授業を担当
  • 校務分掌(学校運営にかかわる仕事)の内容によって(2~4つほど)授業数が減らされる
みずき

私の場合は、1日に多くて5コマ、少ない日は2・3コマでした。私立学校の場合は、土曜日も授業をやるところが多いので、そのぶん1日の行う授業は少なくなりますね。

教頭先生や教務部長が20コマ近く授業を持つのはハード過ぎるので、仕事の量に応じてコマ数に充てられます。

教務や募集を担当する先生の持ち時間は14~16コマくらいでした。

空き時間や放課後、自宅で授業のための教材研究を行います

教材研究にかける時間は教員によって本当にさまざまです。
何年も前から教えているベテランの先生とは違い、初任者は1から教案をつくるので果てしなく時間がかかります。

私の場合は、毎年生徒に合わせて教材・教案を変えていたので、1コマの授業をつくるのに最低3時間はかかっていました。

4科目担当した年度は一番ハードで、ご飯とお風呂以外はすべて授業準備に費やしてました。

どんなに頭がよくて効率がいい先生でも最初は絶対に時間がかかるので、初任者は早めの準備を心がけておきましょう

12時45分 昼休み

お昼を食べたら合間に仕事をします。

生徒もお昼に質問にきたり、生徒指導が入ったりするのでゆっくり食べられないときもありますね。

教員の休憩時間を確保するためにお昼の30分ほどを職員室入室禁止にする学校もあります

13時20分 午後の授業開始

午後授業開始です。

授業の合間に雑務もこなします。

  • 会議のための書類を人数分コピーしてホチキスで止める
  • コピー機の紙・インク・マスター用紙の補充
  • 職員室のごみ箱のごみを縛って集積所に持っていく
  • 校門前の雪かき
  • チョークの補充
  • エアコンの空調の管理
  • 教員ストレスチェックの回答(これがストレスっていうね・・)
  • 関係各種の書類作成

これらの名もなき仕事と授業をテキパキとこなして行きます。

空き時間には校務分掌(学校運営に関する仕事)も進める

校務分掌とは、学校運営に関するさまざまな仕事です。

  • 教務(定期テストや成績に関する業務)
  • 進路(生徒の進路指導、キャンパスツアーの企画など)
  • 募集(学校説明会や塾への売り込みなど、生徒募集に関する業務)
  • 生徒指導(問題行動を起こした生徒の指導に関する業務)
  • 生徒会(生徒会の運営に関する業務)

学校によって校務分掌は変わってきますが、教員は大体どこか1つ以上に属して活動しています

  • 教務部は進級や成績などの重大な決定にかかわる業務だからか、仕事のできる先生が付くイメージ
  • 成績処理はパソコンで行うので、IT機器・数字に強い先生が重宝される

私の勤務校では上記のようなイメージでした。

私立の場合は募集活動が経営上かなり重要です。そのため、募集活動の繁忙期になると学校説明会や中学校訪問に募集担当以外の先生も駆り出されます。

15時10分 帰りのホームルーム、清掃

帰りのホームルームでは次の日の時間割変更の確認や提出物の締め切りの確認、他教科の先生から頼まれたノートやプリントの返却を行います。

クラスで何か問題が起きれば指導することも。

1日の反省を行ったら挨拶をして終わりです。

係りの生徒は残って清掃活動、教室整備をします。清掃は教員が監督する学校としない学校がありました

16時 部活指導

授業が終わったあとから夏19時・冬18時くらいまで、1日2~3時間部活動を行います。

野球部やサッカー部などの強化部だと21時くらいまで練習している学校もありますね。

運動部の顧問になると、部活の負担は大きいです。たとえば、こんなスケジュールです。

  • 平日に練習・試合(最近平日に大会を行って教員と生徒の負担を減らそうという流れがあるそうです)
  • 土曜日に練習
  • 日曜日に試合
  • 長期休みに遠征・合宿

部活動の負担が、教員の長時間労働の要因となっているのは間違いないです

ただ、実際には時々しか顔を出さない先生もいるので、部活動にかける熱量はかなり個人差がある印象ですね。

18時 部活終わり・授業準備や保護者対応などを開始

保護者の仕事が終わるのを待って保護者対応を行うこともあります。

  • 保護者会
  • 三者面談
  • PTA活動
  • 部活動のお手伝い
  • 各種行事
  • 不登校や問題行動の指導

などで保護者の方と接することになります。

みずき

私の勤務校だと、授業中のスマホ使用が原因で保護者が来校したケースが多かったですね(3回違反すると没収。保護者が来校しないと返さない決まりでした)

高校だと大学受験や就職の相談など人生を大きく左右する話が多いので、保護者からの信頼を得ておいた方がトラブルに発展する確率は下がります

モンスターペアレントの対応について

そして、いわゆるモンスターペアレント(モンペ)ですが、ほとんどいないので安心してください

基本的にみなさん、学校や教員に協力的でいい方が多いです。

もし保護者対応で何らかの問題に発展しそうなときは、学年主任や管理職に相談して複数人のチームで対応するようにしてください。

一人で抱え込んでしまうと、最悪の場合は個人攻撃されることになるからですね。

複数人で対応して「学校としての対応」を毅然とした態度で示すことで保護者は納得してくれやすくなります

19時~20時 退勤

教材研究には終わりがないですが、退勤します。

遅い方だと22時くらいまで学校にいたり仕事を持ち帰ったりしています。

高校教師は時期によっては大学受験指導や就職支援も行う

高校教師は時期によっては受験指導や就職支援も行う

高校教師に特徴的な仕事としては、大学受験指導と就職支援があります。

夏~冬にかけては放課後にAO試験のための面接練習や推薦書の添削を行っていきます。

もちろん一般入試のための個別指導や講習を夏休みや放課後に行うこともあります。

大学受験指導は適時行う

高校教師の仕事内容でもっとも特徴的なのは、大学受験指導です。

高校で働きたいという人はセンター試験(2020年度からは大学入試共通テスト)や大学受験の指導が必ずついてまわります。

生徒からセンター試験の点数を聞かれたり出身大学を聞かれたりしますし、教える内容も専門的になるので高い学力が求められます。

ただし、学歴が高くても教えるのがうまいとは限らないので、教材研究・授業研究などを頑張れる人なら高校教師になっても大丈夫です

高校教師と学歴の関係については、高校教師は頭いい人しかなれない?学歴との関係を元高校教員が分析!にて解説しています。

就職したい生徒の進路指導も行う

家業を継ぐ形での就職もありますが、学校に来る求人の中から生徒に就職先を紹介することもあります。

就職支援は実は結構難しいです。

すぐに辞めてしまったり勤務態度が悪かったりすると、次年度から「この学校の生徒は採用しない」と言われてしまうことがあるからです。

就職した生徒にとっても、仕事が続かなかったことで自信を失ってしまい、人生が大きく変わってしまうこともあります。

実際にすぐに辞めてしまう生徒は毎年いましたが、卒業したあとに就職活動を一人でするのは大変ですよね。

教員は生徒と就職先とのマッチングを考えて、長く続けられそうな就職先を見つけられるように支援する必要があります。

高校教師は仕事内容が多岐に渡るから1日が長い

まとめ:高校教師は仕事内容が多岐に渡るから1日が長い

高校教師の仕事内容は多岐に渡ります。

進学や就職など生徒の人生の岐路に関われることは嬉しいですが、長時間の勤務で疲弊する先生も少なくないです。

教師のデメリットを知りたい方は、教師になるのやめとけ!?教師のデメリット7つを元高校教員が暴露もご覧ください。

今回は以上です。

関連記事教師を辞めてよかったこと5つを元教員が告白。経験者の声も紹

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この記事を書いた人

元高校教員(社会科・非常勤・7年)の在宅ワーカー | 主な勤務校は偏差値30台の教育困難校 | 出産を機に退職 | 在職中・現在合わせて10社以上の転職サービス(転職サイト・エージェント)を利用 | 教員時代は教師を辞めたい若手教員の相談に乗ってました | 教員からの転職情報・教員生活に役立つ情報を発信します。

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