教員からの転職を考える20代の先生に向けて、20代教員の転職を成功させる4つのポイントと転職先を元教員が経験を踏まえて徹底解説します。
▼この記事でわかること▼

元教員のみずきです。私立高校教員7年目で早期退職しフリーランスに転職しました。
せっかく頑張って教員になったのに、現場に出てみたら理想と全然違いませんか?
私は20代のときに学級崩壊を経験して毎日辞めたい気持ちでいっぱいでした。
でも、もう少し続けられるかもという気持ちで辞める決断を先延ばしにするのは危険です。
なぜなら、30歳が異業種に転職できるか否かの境目であり、20代で転職活動を始めなければ希望の職種・企業に転職できる可能性がかなり低くなるから。
教員からの転職は20代がおすすめです。20代のうちに転職できれば、仕事とプライベートのバランスの取れた人生を今後数十年過ごすことができます。
20代教員が転職を成功させる4つのポイントやおすすめの転職先、20代教員の転職体験談もお伝えするので、理想の転職をしたい方はぜひ最後までご覧ください。
教員からの転職活動のやり方は【完全版】教員から転職する流れ3ステップ!退職した元教師が解説をご覧ください。
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教員からの転職は20代がおすすめの理由|転職のしやすさ

「いつか教員を辞めて転職したい」と思っている方は、絶対に20代のうちに転職を終わらせる方がいいです。
はじめに、教員からの転職は20代がおすすめの理由(20代の転職活動のメリット)とリスク(デメリット)を合わせて解説していきます。
20代教員の転職なら2つのメリットがある
20代で教員から転職すべき理由
- 20代対象の求人数が豊富だから、さまざまな職種・企業を選べる
- ポテンシャルが重視されるため、特別なスキルがなくても採用されやすい
そもそも転職人口のボリューム層は20代であり、中途採用の求人数が豊富です。
さらに、20代は人柄や潜在的なポテンシャル(能力)を重視して採用する企業が多いため、特別なスキルをアピールしづらい教員でも採用されやすいと言えます。
反対に、30代以降の転職活動になると実務経験や即戦力となるスキルがある程度重視されます。
教員は企業から即戦力にならないと見られがちなので、30代になると転職自体が難航するリスクが高まります。
したがって、厳しいと言われる教員の転職は、異業種も視野に入れられて比較的内定も取れやすい20代が最適です。

とくに、第二新卒(学校を卒業して概ね3年以内の人)は転職市場での需要が高いですよ。
関連教員は潰しが効かないって本当?転職が難しい理由と対策、狙える転職先を解説
20代教員が転職するデメリットは年収ダウンの可能性
反対に、20代で教員から転職するデメリットは年収が下がる可能性が高いことです。
小学校・中学校の20代教員の年収は405万8550円、高校の場合は372万9850円。学校全体で見ると20代教員の年収は389万4200円となりました。
年齢 | 小中学校教員 | 高等学校教員 |
20代前半 | 359万4500円 | 333万6200円 |
20代後半 | 452万2600円 | 412万3500円 |
20代教員の平均年収 | 405万8550円 | 372万9850円 |
では、もし教員から民間企業に転職した場合はどうなるか。
転職サイトdodaの平均年収ランキング(2020年版)によれば、20代の平均年収は全体で348万円(男性371万円・女性321万円)です。
民間企業の平均年収の方が40万くらい教員より低いんですね。
民間企業と比べると20代教員の給料は高めなので、転職でそれ以上の収入を望むのは難しくなります。>>教員と民間の給料を比較してみた

ただし、あくまでこれは平均年収の話。転職で重視する条件や個人の能力・環境はそれぞれ違います。
- 20代でも教員よりも年収が高い仕事
- 年間休日が多くて残業がないなど働きやすい企業
人によっては、上記のような転職先に行ける可能性ももちろんあります。
しかも、30代になると民間企業の平均年収の方が高くなるという結果も出ています(詳しくは30代教員の転職にて)。
20代で民間企業に転職すると年収は下がるかもしれませんが、30代以上で逆転する可能性もあるということですね。
自分の市場価値を知りたい方は、リクルートエージェントのキャリア相談を利用してみてください。
30分~1時間の電話面談であなたの経歴(職歴)でどのような企業に転職できる可能性があるかがわかります。
20代で転職すると仕事が続かない人だと思われないか?
近年では新卒の3割が3年以内に辞めると言われており、人によっては数回転職するのも珍しくありません。
したがって、「転職する人=仕事が続かない人・仕事ができない人」というのは以前ほど言われなくなってきています。
20代教員の転職を成功させる4つのポイント

20代教員の転職を成功させるポイントは下記4つです。
20代教員の転職を成功させる4つのコツ
それぞれ解説していきますね。
①早めに行動して20代のうちに転職活動を終えること
教員からの転職を決めたら早めに行動し、20代のうちに転職を完了させるのが成功のポイントです。
30代以降は異業種への転職が厳しくなり、転職先の選択肢が限られてくるからですね(関連記事:30代教員の転職)。

そして経験上、教員として働いている期間が長くなればなるほど「このままでいいか」という気持ちが強くなってきます。
やりたいという強い意志を持って教育現場に残る方もいますが、「教師でもやるか・教師しかないから」という「でもしか」思考で教員を続ける方もいます。
どちらがいい悪いではありませんが、他にやりたいことがある方はすぐに転職した方がチャンスを逃さずに済みます。
関連記事教員から民間企業に転職する方法を経験者の元教員が解説
②転職するポジティブな理由を考えること
「教員をやりたくない」という思いで転職したい方は、「これがやりたいから転職する」という前向きな転職理由も考えましょう。
ポジティブな転職理由が重要なのはなぜか?
- 「教員から転職する」という選択を自分自身が前向きに捉えられるから
- 企業の採用面接で伝えたいことだから
一つは、自分にとっての利点です。
教員を辞めるときって「辛いことから逃げている」「本当にこれでいいのか」とネガティブな感情になりがちですよね。
とくに「教員から逃げた」という思いは楔のようにずっと引っかかり続けるものです。
ですが、「これがやりたいから辞めた」という前向きな転職理由があれば、辞める選択に後悔することは少なくなります。
もう一つの理由は企業側の視点です。
転職先の企業は「教員から逃げたいという理由だけで志望しているのか」という疑念を少なからず持っています。
教員を辞められれば何でもいいという人は誰も取りたくないですよね。
とくに採用面接で転職理由を聞かれた場合は、前向きな内容(○○がやりたい、キャリアアップしたいなど)を伝えるようにしましょう。
※職場の悪口はいい印象を持たれないので基本NG。
このように、前向きな転職理由を考えることは、後悔しないためにも内定を勝ち取る上でも転職活動成功のカギだと言えます。
③企業選びの軸を明確にしてから転職先を選ぶこと
転職成功のポイント3つ目は、企業に求める条件をハッキリさせることです。
転職したい理由が自分でわからないと、転職先でも同じ理由で辞めたくなってしまうからですね。
- 「スキルを活かして、より高収入の仕事を目指したい」⇒年収
- 「土日休みで残業が少ない仕事に転職して、自分の時間を持ちたい」 ⇒年間休日・残業の有無
- 「教員以外の、自分の興味のある仕事に就きたくなった」⇒興味関心
このように、転職したい理由を明確にしてから転職先に求める条件に優先順位をつけていきましょう。
企業を選ぶあなたなりの軸(基準)があれば、理想の転職先に出会えます。
④20代教員向けの転職エージェントを使うこと
転職成功のポイント4つ目は、転職エージェントのサポートを受けることです。
転職エージェントとは、担当者がついて求職者(あなた)に求人を紹介してくれるサービスのこと。履歴書の添削や面接対策などの転職サポートもすべて無料で受けられます。
教員からの転職は早い方がいいことは間違いないです。
でも、焦って自分だけで行動してしまうと
- 年収が大幅に下がる
- あなたの市場価値とかけ離れた企業に応募して不採用ばかり(時間を無駄にする)
- 焦ってブラック企業に転職してしまった
というリスクも考えられます。
したがって、失敗しないためにも転職エージェントに相談することから始めると後悔しにくいです。
教員の仕事と並行して転職活動を行う場合でも、転職エージェントを利用すれば下記をサポートしてもらえるので安心ですよ。
- 自己分析
- 業界研究・企業研究
- 履歴書・職務経歴書の作成
- 転職ノウハウを調べる
- 転職活動のスケジュール調整
- 面接対策
転職エージェントは登録もサービスもすべて無料。転職を強制するものではなく、キャリア相談のために利用する方も多いです。
教員から転職した方への調査(教員向き転職エージェント)では半数以上の方が「リクルートエージェント」を利用していました。
20代教員におすすめの転職エージェント2つ
- 教員からの転職成功者がもっとも利用「
リクルートエージェント」(業界最大手・求人数No.1)
- 第二新卒(3年以内)や20代の転職に強い「
UZUZ」
リクルートエージェントは担当者の質が高く、転職の悩みに的確な回答がもらえます。
持っている求人も豊富で熱心なアドバイザーが多いので、絶対に転職を成功させたい方におすすめです。
UZUZ(ウズウズ)は丁寧な面談に定評があります。
なんと1人へのカウンセリングは合計で平均20時間(他社の10倍以上)。
しかも、アドバイザーは全員既卒・第二新卒での転職経験者なので、初めての転職不安な求職者にじっくり向き合って導いてくれます。
転職エージェントはそれぞれに強みが違うので複数登録するのが基本です。
事実、転職成功者は平均4.2社に登録しています(リクルート調べ)。
混乱しないように最初は上記2つに登録し、担当者との相性が悪いなどうまくいかなかった場合に追加していく方法がおすすめです。
それぞれの転職エージェントの概要や利用方法は元教員おすすめの転職エージェントで詳しく解説しています。
リクルートエージェントを実際に利用した体験談は【実体験】リクルートエージェントで30代ママが電話面談した感想をご覧ください。
また、転職エージェントに登録した方も、自分で求人検索をしたい方も、あらゆる求人を網羅するリクナビNEXTと
ビズリーチには登録しておきましょう。
エージェントにない求人に自己応募したりエージェント経由で紹介してもらうことも可能だからです。
20代教員が転職したくなる6つの理由

いろいろ考えているうちに本当に転職したいのかわからなくなってしまうことありますよね。
教員を辞めたい理由はさまざまですが、ここでは私自身が20代で転職を考えた経験も踏まえて、20代教員が転職したくなる理由6つを挙げてみました。
20代教員が転職したい6つの理由
理由①:生徒になめられて学級崩壊
学級崩壊・授業崩壊ほど恐ろしいことはありません。
一度崩壊してしまうと、あなたがどんなに一生懸命授業をつくってきても、どんなに熱い言葉で指導しようにも一切生徒に届かないからです。
とくに、若い先生・女性・新卒などの条件が重なると、生徒になめられやすくなります。
私が学級崩壊を経験したとき、そのクラスの授業に行くときだけこのような症状が出ました。
- 足が重くなって動かしづらくなる
- 授業時間が近づくと動機がする
- 帰宅すると激しい頭痛

理由②:授業が全然うまくできない
頑張って授業をつくっても生徒の反応が悪いと辛いですよね。
生徒によっては「わかりにくい」「おもしろくない」とダイレクトに言われることもあります。授業がうまくできないなんて、教師に向いてないんじゃないか、と本気で落ち込みますよね。

理由③:保護者の信頼が得られない
保護者から「担任の先生を変えて欲しい」と言われて辞めたくなるパターンもあります。
「若くて頼りない」「ベテランの先生に見てほしかった」なんて言われても、どうしようもできないですよね。生徒といい関係性ができていないときは、家庭で悪口を言われてるのかもしれません。
理由④:負担の大きい部活顧問を押し付けられる
負担の大きい部活の顧問は若い教員に押し付けられがちです。
サッカーや野球、陸上、吹奏楽など強化部の顧問になると、かなりの負担がのしかかります。たとえば野球部だったら、こんなスケジュールです。
【平日】朝6時から朝連⇒夜9時まで部活
【土日】一日中部活か試合
【長期休み】ほぼ部活
【お盆・年末年始】ほぼ部活
「え、いつ休むの?」ってくらい毎日部活漬けの日々です。

理由⑤:結婚・出産後の生活が心配すぎる
長い目で考えたとき、教師を続けていて家庭生活と両立できるか心配になります。
女性の場合は、出産後に復職できたとしても家事・育児との両立に悩まされるはずです。

仕事だけが人生じゃないので、家庭生活も充実させたい人は転職を考えてもおかしくないですよね。
理由⑥別の仕事でキャリアアップしたい
教員以外の仕事に興味を持って、他の仕事でキャリアップしたいという積極的な理由でも転職したくなります。
20代の仕事人生はこの先長いです。
自分の理想の教育は学校では実現できないと言ってフリースクールに転職された方や、同僚との意識の違いに絶望して違う仕事でスキルアップしたいという意識の高い方もいます。
今後の人生の大半を捧げる仕事は、自分が納得できるものにしたいですよね。
20代教員の転職先は異業種もアリ

20代教員の転職先は異業種・教育関係のどちらも人気です。
基本的に教員の転職先としては
- 学習塾や各種スクールの講師
- 教材アプリの開発などの教育関係企業
- 学童保育
- 放課後支援員
といった教育関係の仕事が人気ですが、20代教員の転職先には未経験・異業種の企業も目立ちます。
とくに20代前半だと第二新卒扱いになる可能性が高く、仕事で役立つ特別なスキルというよりは、ポテンシャルや人柄が重視されるからですね。
20代後半でもまだ未経験の業種への転職は可能です。

未経験でも狙える転職先としては、事務作業が好きな方は事務職、あとは意外かもしれませんが教員には営業職もおすすめです。
教員はコミュニケーションを取るのが好きな方が多く、わかりやすく商品・サービスの魅力を伝えることができるからですね。
自分の得意・興味がある職種(情報教員ならIT系など)から選ぶのもスキルが活かせるのでいいですよ。
関連記事教員の転職にIT企業がおすすめの理由を元教員の現役SEが語る
【20代教員の転職体験談】辞めた後の生活に満足している?

実際に20代で教員から転職した2名の先生の転職体験談を紹介します。
①25歳で大手民間企業の海外営業職に転職:ケイタ先生(男性)
一人目は、小学校の臨時的任用教員だったケイタ先生(25歳、男性)の転職体験談です。
ケイタ先生は臨任1年目にして早くも「教員生活を退屈に感じた」とのこと。
そんなある日、ALTの先生との会話をきっかけに、海外一人旅やアジア留学の経験を活かして成長が著しいアジアへの転職を決意。
教員を1年で辞めて転職活動を始め、大手旅行会社の海外営業職(ベトナム赴任)に採用が決まりました。
このご時世で転職先は大打撃ですが、転職して広い視野と柔軟な思考力が身に付いたため満足しているそうです。
ケイタ先生の転職体験談はこちら:【海外転職体験談】20代で臨任教員から大手旅行会社の海外営業職へ
②24歳で養護教諭から民間企業に転職:ちはる先生(女性)
二人目は、養護教諭から民間の障がい者支援施設へ転職したちはる先生(24歳女性)の転職体験談です。
ちはる先生は小学校の養護教諭(非常勤講師)として特別支援学級を担当されていました。
そんな中、「実際に障がいを持つ生徒がどのように働いているかを見たい、そして自らも携わりたい」という思いから転職を決意。
転職後の生活は年収・雇用の安定性ともに変わらず、指導員の仕事にも教員経験は活かせるため、転職先でも自信をもって力を発揮できているようです。
「転職してからの後悔は一度もない」「転職は自分を開花させるチャンス!」と、悩める先生方にエールを送っておられます。
ちはる先生の転職体験談はこちら:養護教諭から民間企業に転職!20代女性小学校教員の転職体験談
教員からの転職は20代のうちに済ませよう!

本記事では、20代教員の転職について解説してきました。
教師からの転職を考えている方は、20代なら希望の職種・企業に転職しやすいです。
20代教員が転職を成功させるポイント4つ
- 早めに転職活動を始めること(20代のうちに転職すること)
- 転職するポジティブな理由を考えること
- 企業選びの軸を明確にしてから転職先を選ぶこと
- 転職エージェントを使うこと
30代教員の転職となると、異業種への転職は難しくなってきます。
ですが、焦って単独で転職活動をすると失敗するリスクが高まるのも事実です。
まずは転職エージェントのキャリア相談を受けて自分の市場価値を知ることから始めてみると後悔のない選択ができます。

転職エージェントの利用にかかわらず、大手のリクナビNEXTには登録しておきましょう。
自己応募の際や転職イベントへの参加、スカウトサービスなど転職に便利な機能が無料で利用できます。