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養護教諭から転職するコツや注意点を元養護教諭が解説

養護教諭から転職するコツや注意点を元養護教諭が解説

「養護教諭から転職を考えているけど、転職のコツや注意すべきことを知りたい。実際に養護教諭から転職するならどんな転職先があるの?」こんなお悩みに元教員が答えます。

この記事を書いた人たち
みずき

【監修】みずき(当サイト運営者。10社以上の転職サイト・エージェントを利用した元教員の在宅ワーカー)>>運営者情報

【執筆】ちはる「24歳で養護教諭から民間企業に転職しました。>>養護教諭からの転職体験談・実際に使った職務経歴書

保健室の先生は、怪我や体調不良で保健室を訪れると安心感を与えてくれる特別な教員です。

しかし、健康診断が始まれば膨大な量の書類整理に追われ、児童が怪我をしたことによる保護者からのクレーム対応があったり、現実は過酷なもの。

そこで養護教諭から実際に転職した私が、養護教諭を辞めたくなる理由から転職のコツ・注意点、おすすめの転職先まで徹底解説します。

養護教諭からの転職を検討している方は参考にしてください。

タップできる目次

養護教諭から転職したくなる4つの理由

養護教諭から転職したくなる4つの理由

私が養護教諭を辞めて転職したくなった理由は下記4つです。

養護教諭から転職したくなった4つの理由

  1. 養護教諭のイメージと実際の仕事のギャップが大きい
  2. 児童数に対して養護教諭の配置人数が少ない
  3. ケガ・病気に関する知識を保護者から過剰に求められる
  4. 加齢における自分の体力の低下に自信を失ってしまう

それぞれ解説していきますね。

①養護教諭のイメージと実際の仕事のギャップが大きい

養護教諭というと子どもたちを笑顔で迎え入れて手当や看病をするイメージがあります。しかし、実際の業務はそれだけではありません。

  • 放課後になると1日の全ての報告書を上げる
  • 健康診断が近づくと始まる学校医との頻回なやり取り
  • 膨大な量の書類整理

上記以外にも様々な業務・対応に追われます。とくに書類整理の多さは養護教諭になってから気づいた大変さでした。

②児童数に対して養護教諭の配置人数が少ない

大規模校であっても、1つの学校に配置される養護教諭は多くても2人です。

通常であれば養護教諭どちらか1人が確実に保健室に待機している状態でいられますが、

  • 緊急事態で他の教室に駆けつけるとき
  • お手洗いに行くとき
  • 遠足や宿泊行事のとき

などは保健室が空になることもあります。

この間に何か起こったら?と考えると、たった1人で全児童を見なければならないというプレッシャーは大きいです。

③ケガ・病気に関する知識を保護者から過剰に求められる

「保健室の先生だから」と、怪我や病気に関する知識を何でも持っていると思っている保護者の方は多くいらっしゃいます。

しかし、私たちはあくまで養護教諭であり医師ではありません。それを理解して頂くのは容易ではないです。

怪我をしてしまった児童の容態について保護者の方へ説明すると「病院に連れて行くべきでしょうか」「通院が必要になりますか」などと質問されることがありますが、養護教諭の立場として「必ず診療してください」とは言えません。

なぜなら、その医療費は学校負担ではないからです。

「先生に言われたから病院に行った」と言われてしまうのは、大きなトラブルの種になります。

また安易に「通院が必要になるかもしれない」と言って、そうでなかった場合に「先生に聞いたのに」と、これも信頼を失うきっかけになりかねません。

養護教諭は「学校内で起きた怪我・体調不良に一時的な処置を行う教員」と、正しく認識して頂きたいものです。

④加齢における自分の体力の低下に自信を失ってしまう

養護教諭は子どもや教職員などがケガをした現場に走って駆けつけ、ときには倒れた子どもを抱きかかえることも必要です。

加齢とともに「自分より若い子どもたちを救い続けられるのだろうか」という不安に駆られることもあります。

命を預かっているだけにプレッシャーは大きいです。

養護教諭からの転職を成功させるポイント3つ

養護教諭からの転職を成功させるポイントは3つあります。

  1. 子どもと関わっていた経験を活かせる職を探す
  2. 他教員との協調性を保つコミュニケーション能力をアピールする
  3. 看護系の専門性を向上させ、医療系の資格を取得する

それぞれ解説していきますね。

①子どもと関わっていた経験を活かせる職を探す

養護教諭のように毎日のように子どもと触れ合える環境は貴重です。

  • 子どもと会話をするときは姿勢を低くする
  • 子どもにも理解しやすい言葉選び
  • 子どもが喜んでくれるリアクション

日々子どもたちと触れ合う環境にいた養護教諭は上記が自然と身に付いています。

これは一般企業で教えられて覚えられるものでなく、養護教諭だからこそなせるテクニックだと考えます。

②他教員との協調性を保つコミュニケーション能力をアピールする

養護教諭が転職活動をする際には、ぜひコミュニケーション能力をアピールしましょう。

養護教諭は各担任の先生と情報を共有して全児童の健康状態を把握します。

このとき、養護教諭は他教員それぞれとコミュニケーションを取って円滑な情報共有を行えるように努めています。

教師歴の長い先生はプライドも高く、児童が怪我をし、保護者への報告を依頼するだけで「それくらいわかっています」といった対応をされることがあります。

少し控えめな性格をしている先生は「児童について気付いたことがあれば教えていただけませんか」と尋ねても、なかなか答えが返ってこない場合が多いです。

基本的に教室で過ごす児童のことを把握するには、他教員の協力が欠かせません。

プライドの高い先生に報告を依頼するなら「また先生に連絡帳に一筆頂かなければなりませんね、本当によく転ぶ児童ですね」と、言葉を変えてみたり、控えめな先生には「休憩時間には何をしていましたか?」「給食は完食できていましたか?」など、具体的に質問をすると、答えを引き出しやすくなります。

児童生徒と時間をもっとも長く共にするのは担任の先生です。養護教諭である自分は1歩引いた低姿勢で、担任の先生を引き立てるポジションにあるとも言えるでしょう。

こういった配慮の出来る人材であることは、面接において大きなアピールポイントになります。

③看護系の専門性を向上させ、医療系の資格を取得する

養護教諭は、養護教諭資格を取得するために、教養に関する学位とともに看護に関する学位も取得しています。

そのため、0から看護系の資格取得を目指すよりも、養護教諭は目標資格の取得に近い位置からスタートを切ることが可能です。

養護教諭の教育過程には看護学や薬理学・解剖学が含まれています。これらは看護師や臨床検査技師、歯科衛生士においても同じ学位を取得する必要がありますが、重ねて取得する必要はないため、未取得の学位のみ専攻すれば資格取得、もしくは受験資格取得が可能になります。


養護教諭ならば実務経験もあるために学習内容をスムーズに理解しやすく、新たな資格取得によって転職の幅を広げられるでしょう。

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養護教諭から転職するときに注意すべき3つのこと

養護教諭から転職するときに注意すべき3つのこと

養護教諭から転職するときに注意すべき3つのことをお話します。

  1. 在籍校の近隣にある勤務先は避けること
  2. 看護系・福祉系に転職するときは資格を取得すること
  3. 転職活動をしていることを保護者に悟られないこと

それぞれ解説していきます。

①在籍校の近隣にある勤務先は避けること

接客が必要となる販売店や飲食店はもちろんですが、たとえオフィス勤務であったとしても通勤時間と登校時間は重なりやすく、児童の目に触れる可能性が高まります。

児童にとって「先生」はいつまでも「先生」であり、まだ幼い子どもに転職を理解させることは難しいです。

また、保護者においても、自分の子どもが通う学校の先生が転職をして全く違った職に就くというのは「教員内の関係性が良くないのか」「何かトラブルを起こして辞めたのではないか」といった下手な噂を生みかねません。

不本意かもしれませんが、自分のためにも在籍していた学校のためにも、在籍経験のある学校近辺を避けた方が無難です。

②看護系・福祉系に転職するならば資格を取得すること

養護教諭はいわゆる「教師」と「看護師」を足して2で割ったような資格であると思われやすいです。

そのため、塾講師や家庭教師、または介護福祉士や看護補助などでも即戦力になると考える方がいらっしゃいます。

しかし、養護教諭の資格はあくまで保健室の先生を務められるものであり、本格的な学業のサポートや介護・看護における専門知識は、現場の方々から見れば微々たるものです。

したがって、介護・福祉系職への転職を検討する方は資格を取得、もしくは同時進行で務めながら勉学に励むことをおすすめします。

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③転職活動をしていることを保護者に悟られないこと

学校在籍中に転職活動を行う場合、保護者の方には知られないようにしましょう。

たとえば、持病を持つ子どもを通わせている保護者の方は、慣れた養護教諭が学校を去ることに大きな不安を抱かれますし、この不安は「引き継ぎをしている」と伝えても安易に取り除けるものではありません。

また、保護者の輪というものは強く、「転職」から下手な噂が広がることも考えられます。

養護教諭がスーツ姿でいるのはあまり見られる光景ではありませんから、もし面接などでスーツ姿で出勤する必要がある場合は、万が一尋ねられたときの返答を準備しておく方がよいでしょう。

養護教諭におすすめの転職先5選

養護教諭におすすめの転職先5選

養護教諭におすすめの転職先を5つ紹介します。

養護教諭におすすめの転職先5選

  1. 放課後児童デイサービス
  2. 老人ホーム・デイサービス
  3. キャラクター雑貨販売店
  4. 一般事務職
  5. 医療事務・看護補助

それぞれ解説していきますね。

①放課後児童デイサービス

放課後児童デイサービスでは1日の学校学習を終えた児童が学年関係なく集まります。

養護教諭を務めた人は子どもと関わるテクニックを身に付けており、慣れた環境であると言えます。

学習指導においても宿題のサポートが主となり、一般的な教養があれば可能である範囲です。

養護教諭の職務において、1人もしくは2人体制であることに不安を感じていた方や、膨大な書類整理を苦に転職を検討されている方にはおすすめの転職先です。

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②老人ホーム・デイサービス

老人ホームでの勤務も養護教諭には向いています。

子どもと高齢者は大きく違うように思いますが、基本的な看護知識を持っている養護教諭にとって、日頃から行われるバイタルチェックや食事介助などは未経験者に比べると習得が早いはずです。

また、レクリエーションが必要となるデイサービスも養護教諭に適した転職先です。

養護教諭といえども、ときには子どもに囲まれて楽しい時間を作り出した経験があります。

子どもに限らず人を楽しませることが好きな方、自分も楽しんで取り組める方には向いている仕事と言えます。

③キャラクター雑貨販売店

主に学生が使用するキャラクター雑貨(文房具や学校で使用するプールバッグ・エプロン・お弁当グッズなど)を取り扱うお店では、来店客の多くは子どもか保護者の方です。

子どもと触れ合うことは好きなものの、

  • ケガや事故の対応にプレッシャーを感じている方
  • 保護者対応に悩まれた方

このような方は、子どもと触れ合うことができる転職先の一つとして考えてみてください。

④一般事務職

養護教諭には書類整理という大きな職務があります。

何百人という児童に関するデータを1人ないしは2人でまとめるのですから、膨大な量になることは避けられません。

これをやり遂げてきた人であれば、一般企業においても庶務・雑務・営業事務の処理に対応することは十分可能です。

⑤看護助手や医療事務

養護教諭の特性やスキルを活かして看護助手や医療事務などの職に就くことも可能です。

看護助手

養護教諭は看護師の資格を取得している訳ではないため、「看護師」としては働けません。

しかし、「看護助手」であれば特別な資格がなくても務めることが可能であり、養護教諭としての経験は大きく評価されます。


看護補助の主な職務は、看護師のサポートです。

たとえば医療器具の準備であったり、患者様の誘導、ベットメイキングがあります。

養護教諭はすでに医療用語を多く知っていることや、体調不良の方に対する接し方、ベットメイキングも保健室で経験済みの行為です。

無資格でありながら実務を積んでいることは確かであり、医療現場にも柔軟に対応出来ます。

さらに、看護師の資格を取れば、実際の医療現場でも活躍できる人材になるでしょう。

はじめは看護補助として務めながら、同時進行で看護師の資格取得に向けた勉強を進めると、学びを体でも吸収しやすく、その習得は早いはずです。

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医療事務職養護教諭免許と看護師の資格取得に必要な勉学には重なっているものが多数あります。そのため、看護師資格の取得にあたっては、すでに学んでいる部分を除いて勉学に取り組むことが可能です。

もちろんブランクがあるので復習する必要はありますが、1度学んでいることはスムーズに吸収しやすいでしょう。

医療事務

医療事務職に就くにあたっては、必ずしも資格が必要ではありません

「無資格可」と求人に出している医院も多数あります。

しかしながら、有資格者と無資格者で比べた場合に優位なのは資格保持者です。

面接において「養護教諭の経験で得た知識を活かし、資格取得に向けて学びながら務めたい」とアピールをすれば、転職に対する意欲を印象付けられます。

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養護教諭におすすめの転職エージェント・転職サイト

養護教諭におすすめの転職エージェント・転職サイト

養護教諭から異業種への転職を考えるなら、下記の転職エージェント・サイトには最低限登録しておきましょう。

自身の強みや特性を知るためには転職サイトだけでは不十分なので、転職相談に乗ってくれる転職エージェントも併用するのをおすすめします。

とくに、リクルートエージェントは求人と担当者の質の高さが魅力なので、転職希望者なら登録しておいて損はないサービスです。

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養護教諭から転職したいなら「自分を認めてあげましょう」

養護教諭から転職したいなら「自分を認めてあげましょう」

養護教諭からの転職は決して「逃げ」ではありません

私自身、イメージしていた養護教諭とはかけ離れた現実に、大きなショックを受けたこともありました。

しかし、子どもと過ごした時間に嘘はなく、子どもたちを救えたことも事実です。

そんな自分を認め、次なるステップへ足を踏み出してみましょう。

公務員という安定した職からの転職は、周囲からの理解を得づらいところがあります。

しかし、養護教諭として培ったものを最大限に引き出し、見出した自分の長所を認めて行動に移すことの方が大事ではないでしょうか?

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この記事を書いた人

元高校教員(社会科・非常勤・7年)の在宅ワーカー | 主な勤務校は偏差値30台の教育困難校 | 出産を機に退職 | 在職中・現在合わせて10社以上の転職サービス(転職サイト・エージェント)を利用 | 教員時代は教師を辞めたい若手教員の相談に乗ってました | 教員からの転職情報・教員生活に役立つ情報を発信します。

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