教員からの転職体験談をシリーズで紹介しています。
この記事では教員3カ月目にうつ病を発症して公立小学校から旅行会社へ転職した美咲先生の転職経験談を紹介します。
管理人みずき:お話よろしくお願いいたします!
- 簡単な経歴(プロフィール)
- 仮名:美咲
- 性別:女
- 転職時の年齢:22歳
- 公立小学校、常勤講師、教員歴3ヶ月
- 転職先:大手旅行会社のカウンターセールス
- 教員を退職してから転職活動開始
【美咲先生】私の場合は、公立小学校で勤務していた時に「うつ病」を発症し、退職を余儀なくされました。そんな、メンタルが弱い私でも、好きなことを仕事にし、生き生きとした生活を手に入れることができました。
「教員からの転職って難しい?」「教員辞めたいけど、勇気がでない…」そんな方に向けて、教員から民間企業に転職したリアルな体験談を紹介します。
教員3カ月目にうつ病に!転職を決めた
私が転職を決めた一番の理由は「うつ病」を発症してしまったことです。
教員3か月で「うつ病」を発症
教員3カ月目、うつ病と思われる下記のような症状に襲われました。
- 朝、出勤する前に、激しい腹痛におそわれる。嘔吐してしまう。
- 平日の夜は眠れない。夜中でも、目を瞑っても、部屋を暗くしても安眠できない。
- 眠っている最中に、なぜか涙がこぼれている。
- 休日は、15時間寝ても寝足りない。起きられない。
- やらなければいけない仕事はたくさんあるのに、眠気が取れない。
- 食欲不振。食べるのが大好きだったのに、ご飯の味がわからなくなる。
- 涙が止まらない。何がつらいのかもわからないが、自然と涙がこぼれてしまう。
- 自分には生きている価値がないと本気で思う。口癖は「生きていてごめんなさい」
- 「どうして自分はこんなにダメなんだ」と自分を責める。
- 心配してくれる家族や友人をことごとく拒否する。「ほっといて!」
過度なストレスによる睡眠障害や摂食障害、精神的苦痛に悩まされる毎日でした。
驚いたのは、自分では全く「うつ病」の自覚がないことです。これだけの症状があり、日常生活に支障があるにも関わらず、「健康」だと思い込んでいました。恐ろしい病気です。
家族や友人に半ば強制的に心療内科を受診するよう促され、納得していないながらも受診すると「うつ病」の診断。
ここでやっと自分は病気だったんだと自覚しました。
通院と薬物療法を重ね、主治医と相談し、退職を決断しました。
教員生活では常に孤独を感じていた
そもそも、なぜ「うつ病」になってしまったのか。さまざまな要因があったと思います。
私の場合、一番苦しかったのは孤独だったことです。
私の赴任した公立小学校は、全校児童数が100名に満たないとても小さな学校でした。当然、1学年1学級です。
新卒で右も左もわからない私が学年主任と学級担任を兼任しなくてはならず、悩みを相談できる先生がいませんでした。
年が近い先輩もなし、私以外の先生方は皆さん家庭を持っています。
他の先生は退勤時間も早く、20時頃まで残って仕事をするのは私と教頭だけ。
教員という職業は、民間企業と異なり、新卒でも「同僚」という感覚で扱われます。
いい面もありますが、私の場合は、それが苦痛でした。「先輩・後輩」というはっきりとした立場ではないので、質問もしづらく、気を遣いすぎて聞きに行くことができませんでした。
学級で起こったこと、どうやって教材を選べばいいのか、遠足の実施計画など、わからないことだらけの業務に追われていました。全て一人でこなさなければいけないと考え、SOSを出せずにいたことがうつ病を発症した大きな原因でした。
教員を退職して療養、その後に転職活動へ
転職活動は病気が回復してから始めました。
教員を退職してから2ヶ月は療養期間にあてて回復に専念し、主治医と相談し、負担のないよう転職活動を開始しました。
転職活動はとてもエネルギーがいるので、まずは「健康であること」を大事にして進めていきました。
注力したことは、「自己分析」です。
小さい頃からの夢である教員を辞め、全く別の道を考えるのは、至難の業でした。「一体、何が好きなのか」「どうやって社会貢献がしたいのか」自問自答を繰り返しました。
適職診断や性格診断などもやりました。たどり着いた答えは、「旅行が好き」「悩んでいる人を助けたい」でした。
ハローワークの職業相談も活用しました。職務経歴書の書き方や辞めた理由などの相談にも親身になって応じてくれました。
たまたま目に入った新聞の折り込み広告の求人情報を見て、興味があり軽い気持ちで応募してみました。
求人内容は「大手旅行会社のオープニングスタッフ」。応募してみたら面接に進み、縁があってそのまま入社が決まりました。
転職エージェントは使わなかった
転職エージェントは利用していません。ハローワークの職業相談を活用しました。
転職活動でやっておけばよかったこと
民間の転職エージェントを使ってみればよかったなと思います。
転職エージェントには、独自の求人があり、自分の適正にあった求人を紹介してくれます。担当者と相談することで、自分の描くキャリアがはっきりとしてくるなどのメリットがあります。
私は自己流で転職をしましたが、専門家によるアドバイスや相談を受けてみて、広い視野を持って転職活動に望めばよかったと思いました。
教員から民間企業に転職した後の変化
民間企業への転職後は教員の時とは、全く違う生活になりました。
未経験でも研修があるのが嬉しい
まず、「上司」「先輩」がいて、新入社員指導をしてくれることがうれしかったです。
研修に参加し、業界の基礎知識を学び、営業のノウハウを学べることが何よりもうれしいと感じました。
未経験の業界で、覚えることはたくさんありましたが、不思議と苦ではありませんでした。
同期もいて、一緒に切磋琢磨し、覚えたことを共有し、高め合っていけるのも恵まれた環境でした。
転職後は30~50万円年収がダウン
収入は少し落ちてしまいました。教員時代には手取りで月18万円ほどでしたが、転職後は月16万円程度です。
ボーナスも含めての年収ベースだと30〜50万円ほど下がってしまいました。
シフト制の勤務へ、残業代も支給される
転職後は、シフト制の勤務になりました。
早番8:15〜17:15、中番9:15〜18:15、遅番10:30〜19:30の三交代制の勤務です。
休日は、平日休みが多いです。ただし、事前に申告すれば土日でも休みが取れます。
残業は月20時間ほどあります。サービス残業はなく、全て手当が支給されます。
平日休みに用事がこなせて便利
教員時代にはなかった平日休みが便利です。役所や郵便局などの用事も気軽にこなせるようになりました。
また、旅行やレジャー施設などに出かける時も安く行けて、空いています。
ただ、土日休みの友人とは、日程がなかなか合わず、夜会うことが多くなりました。
仕事に生きがいを感じられるようになった
充実した毎日を過ごせるようになりました。
仕事にやりがいを感じ、楽しみながら働けます。
確かに繁忙期は残業も多くて業務に追われますが、仕事に生きがいを感じるので、忙しさは苦になりません。
お客様に合った商品をご案内でき、「楽しい旅行だった」と言っていただけるとやる気がでます。
福利厚生もしっかりしていて、余暇や研鑽に時間が当てられるようになりました。
転職して後悔していることは年収が下がったことくらい
後悔していることは、ありません。
強いていうなら、年収が下がったことでしょうか。ただ、教員時代の働き方に比べれば、全くデメリットになりません。
うつ病で教員から転職した後の人生は楽しい
教員には確かにいい面もあります。ただ、私のように合わないと感じているのなら、転職も視野に入れていいと思います。
教員からの転職が難しいのは否定しませんが、転職エージェントに登録してみれば、興味のある求人に出会えるかもしれません。
メンタルが弱い私でも、楽しいと感じられる仕事に出会えました。
一歩踏み出してみてから、戻ることもできます。
まずは、一歩踏み出してみると新しい人生が切り開けるかもしれません。
美咲先生、貴重な体験談をいただきありがとうございました!
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