【執筆:いずみ】元幼稚園の先生。現在はWEBライター
【監修:みずき】元教員のフリーランス・当サイト運営者
「夢だった幼稚園の先生になったけど辞めたい」「幼稚園教諭を辞めるためにはどうしたらいい?」
元幼稚園教諭だった私が、幼稚園の仕事を辞めたい4つの理由とやめてよかったこと、円満に辞めるためにすべきことをまとめました。
私は幼稚園の先生を辞めたあとは自分らしく充実した生活を送っています。幼稚園の先生の仕事を円満に辞める流れがわかるので参考にしてみてください。
幼稚園の先生を辞めたいと思った4つの理由
あなたが幼稚園教諭を辞めたい理由はなんですか?円満に辞めるためにも続ける選択をするにも明確な理由を知ることが大切です。幼稚園の先生を辞めたいと思う理由を4つまとめました。
①人間関係がつらい
幼稚園は女性社会。働いている人は女性が多く、そのせいでストレスを抱えている人も少なくないでしょう。
私が勤務していた園では、このようなことが横行していました。
- いじめまがいな嫌がらせ
- 悪口・陰口
- 気分屋の主任によるパワハラ
- 派閥争い
職員室の空気は重く、会議は息苦しく感じていました。
いつも「自分の言動によって、誰かを怒らせていないか」とビクビクしながら働いていました。まるで生きた心地がしませんでした。
私の勤務していた認定こども園では、主任が最大の権力をもっていました。
主任はかなりの気分屋です。言うことがコロコロ変わり、現場は振り回されていました。思いつきの発言で、用意した制作物や衣装を全部作り直しなんてことは日常茶飯事です。
また、主任は人で判断します。合わない人には、「指導」という名のもとにパワハラまがいの説教をしていました。そのような主任なので、派閥が発生します。なんとか主任に気に入られようと取り入る派閥ができ、職員室内はギスギス。
職員会議では、建設的な会議はされたことがありません。常に誰の発言かが重視され、子どものための保育をしようという人はほとんどいません。私は、そんな職員室や会議を息苦しく感じていました。「自分の言動によって、誰かを怒らせていないか」とビクビクしながら働いていたのです。
子どもたちの手本となるべき幼稚園教諭がくだらないことで争っていることにうんざりし、人間関係にストレスを感じていました。
②仕事量が多すぎて負担
幼稚園教諭の仕事は、給料の割に責任が重く、仕事量が多すぎて負担に感じていました。
書かなければいけない書類が多く、ほぼ毎日自宅で持ち帰りの仕事をしていました。忙殺され、家庭との両立が困難でした。
園児が歌う伴奏のためピアノの練習や、制作物の準備などやるべき業務は煩雑です。
また、行事やイベントが多く、残業が負担になったり、認定こども園になり、休日出勤が負担になったり。
私には、2人の息子がいますが、年中だった次男が家でのストレスから幼稚園でお友達を噛んでしまいました。この出来事は、ショックでした。この時、息子たちと向き合ってあげていないことを実感し、今の働き方ではいけないと気付きました。「自分の子どもたちの大事な時期に寄り添ってあげたい」と思ったのが、私の辞めた理由のひとつです。
③忙しいわりに給与が低い
幼稚園教諭の仕事は業務量が多く忙しいわりに、お給料が少ないと感じます。
平成13年度学校教員統計調査報告書(文部科学省)によると、幼稚園教諭の給料は月額約23万円です。
同じく指導する立場にある公立小学校や公立中学校の教諭と比較しても差は歴然。薄給といえるでしょう。
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「仕事量と給料が見合っていない」「待遇に不満を感じる」のが幼稚園教諭の辞めたい理由のひとつですね。
④結婚出産などの人生の転換期
結婚や出産など人生においての転換期に辞めたくなるというケースも多いでしょう。
- 朝早く勤務したり、残業があったりと時間的な拘束がきつい
- 園児と走り回り、体をめいっぱい動かし、体力的にきつい
上記の理由から、家庭や育児との両立を考えて幼稚園の先生を辞めざるを得ないことがあります。
私も家庭をもつ時に幼稚園の先生を続けてもいいか自信がなくなってしまいました。
幼稚園教諭を辞めてよかったこと4選
私は、認定こども園に4年間勤めました。辞めたいと思いながら、かなり悩みました。
結局辞めましたが、今は全く後悔はしていません。辞めた今なら異常で劣悪な環境で働いていたことがわかります。
同じような悩みを抱えているあなたに向けて、私が辞めてよかった4つのことをリアルな体験談としてお伝えします。
①精神的に安定した
ギスギスした環境の中で働いていた私は悪夢にうなされることがありました。ストレスで体中にじんましんが出たことも少なくありません。
辞めたら不思議なことにそれらが一切なくなりました。健康的な生活が送れています。
働いていた当時は、ストレスから家族に八つ当たりすることも多く、常にイライラしていました。家族にとっても大迷惑です。
幼稚園教諭の仕事のことばかりを考えていた生活から一変しました。ストレスから解放され、今は穏やかな気持ちで健やかに過ごしています。
②時間にゆとりができた
日々、業務に追われていた幼稚園教諭の時には考えられないほど、時間的なゆとりがあります。
夜の家事が終わった21時ころからは自分のためだけに使える時間ができました。映画や動画を見る時もあれば、漫画、勉強、読書をする時もあります。充実したリラックスタイムが送れるようになりました。
また、子どもの宿題をじっくり見てあげる時間ができました。
幼稚園教諭として働いていた時は、ほぼほったらかしでした。今なら、どこでどのような思考をしているか、つまづいていないかをすぐに見てあげられます。
学校でのことを子どもと一緒に向き合うことで、親子のコミュニケーションができています。私のやりたかった「自分の子どもたちの大事な時期に寄り添ってあげたい」が実現できています。
③家庭が穏やかで温かくなった
私の心と時間にゆとりができたことで家庭も穏やかになりました。
2人の子どもたちも精神的に安定し、前向きにチャレンジする場面が増えました。もちろん、子どもたちが成長したのもありますが、母親である私が落ち着いていることで、安心して挑戦できる環境になったのだと思います。
夫に八つ当たりしたり、グチを吐くことも激減し、夫婦仲もよくなりました。幼稚園教諭として働いていた時とは、全く異なります。
④仕事にやりがいを感じる
幼稚園教諭から転職をして、今はフリーランスのWebライターとして活動しています。私の経験が、そのままこうして記事になります。悩んでいるみなさんと同じ気持ちであることを伝えられ、社会に貢献できていると実感します。
「悩んでいる人の応援をしたい、支えてあげたい」これが私の仕事の原動力で、やりがいを感じています。
幼稚園の先生を辞める前にすべき2つのこと
「幼稚園の先生を辞めたい」と思ったとき、すぐに退職を選ぶ前にしてほしいことが2つあります。もしかしたら「辞める」以外の選択肢が見えてくるかもしれません。
①幼稚園教諭のやりがいをリストアップする
幼稚園の先生として勤務している中で、「やっていてよかった」と思う経験を思い返してみましょう。つらいと感じることに目を向けがちですが、よかったこともあるはずです。
- 子どもたちがかわいいと思うエピソードを思い出す
- 大きな壁を乗り越えた経験を振り返る
- 自分のはたらきかけで子どもが成長した経験をリストアップする
たとえば上記は、やりがいを見出すのにおすすめの方法です。
信頼している同僚の先生がいれば、話をしてみてください。一緒に振り返ったり、自分では気づかないいいところが見つかるかもしれません。
やっぱり幼稚園教諭の仕事を続けたい!と思えたら仕事にも張りが出るはずです。
②雇用形態の変更を考えてみる
幼稚園の先生は、正規職員だけではありません。パートやアルバイトといった非正規職員という選択肢もあります。非正規職員は、責任や時間の負担が軽減できます。
ゆとりのある働き方で自分の人生をじっくりと考えてみるのもひとつの方法です。
ただし、正規職員と比較すると収入は減少しがちなので、転職活動も視野に入れておくと安心です。
幼稚園の先生を円満に辞める流れ
どうしても幼稚園の先生の仕事を辞めたいと感じるなら退職を選ぶしか方法はないでしょう。
なるべく円満に退職し、トラブルは避けたいもの。そこで幼稚園教諭を円満に辞めるための方法を2つお伝えします。
①年度末や学期末での退職を試みる
幼稚園教諭の退職をするとき、法律上(民法627条)では、2週間前に辞める意思を伝えればよいとされています。
しかし、2週間では園側が対応できず、トラブルになってしまいかねません。円満に辞めたいのなら、タイミングを見極めることが大切です。
年間スケジュールなどをよく見て配慮しつつ、なるべく園側が了承しやすい時期を選びましょう。
おすすめなのは、区切りのいい年度末や学期末の退職です。
できれば2〜3ヶ月前に退職の旨を伝えましょう。
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②管理職の前に直属の上司に辞める意思を伝える
まずは、直属の先輩や主任に相談をしてみましょう。相談をもちかけた上で、「退職を考えている」と伝えるのが円満に辞めるための秘訣です。
また、退職理由を正直に伝えてしまうのも避けた方がいいですね。
ネガティブな退職理由を伝えると、「改善する」と口約束で、引きとめられる可能性があります。揺らがない決心で決断したのなら、ポジティブな内容を伝えることをおすすめします。
「園が〜」「〇〇さんが〜」ではなく、「私が~したい」と伝えるとよいでしょう。
「〇〇に挑戦したい」「本当にやりたいことが見つかった」などポジティブな内容だと園も気持ちを汲みやすく、円満に退職できますよ。
幼稚園の先生を辞めたいのなら動いてみよう!
私はじっくり悩んで自問自答を繰り返してから幼稚園教諭の退職を決断しました。
辞める前に、よく自分自身と向き合い納得した選択をしてほしいです。人生における大事な選択。どのような結末になっても誰も責任はとってくれません。
幼稚園教諭を辞めるか悩んでいる方はポジウィル
ポジウィル
転職エージェントと違って転職ありきではないので、あなたが仕事や人生で大事にしたい軸を発見できます。
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