この記事では、私立高校教員(音楽・女性)が30代後半で異業種に転職した体験談を紹介します。
ハナ先生の経歴(プロフィール)
- ハナ(女性)
- 私立高校教員(音楽、正規採用8年)
- 転職時の年齢:36歳、37歳
- 転職先:個人税理士事務所税理士補助・社会福祉法人の総合相談支援課相談員
- 転職活動の期間:6ヵ月
30代教員の転職となると異業種への転職は厳しいもの。特別なスキルや経験がないならなおさらです。
しかし、ハナ先生は30代後半から未経験の異業種に2度も転職を成功させました。
ハナ先生が利用した転職エージェント2つ
- リクルートエージェント:教員からの転職成功者がもっとも利用(当サイト独自調査)
- マイナビエージェント:親身で手厚いサポートが魅力
※リンクにマイナビのプロモーションを含みます。
ハナ先生は一度目の転職先で挫折を味わった後、本当に自分がやりたかったことに気づき再転職に踏み出しました。
30代の方、アラフォーで転職をお考えの方はぜひ読んでみてくださいね。
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私立教員の人間関係に疲弊し、異業種に転職を決意
はじめに、ハナ先生が転職を決意するまでの経緯についてお話を伺いました。
先生への憧れから私立高校教員となる
私は高校生の頃の担任に憧れを持ち、教員を目指しました。
教員生活では、大好きな子ども達とたくさんの時間を共有できたことはよかったです。
分からない問題が分かった時の表情・引っ込み思案の子が自分の殻をやぶる節目を目の当たりにした瞬間など、子どもたちの表情と共にいまでも鮮明に思い出します。
また、卒業後に高校へ顔を見せに来てくれた時、成長したその姿を見られることも教師冥利に尽きると思います。
私立は異動がないので生徒とより長く接点を持てるのが利点ですよね。
私立教員ならではの辛さに直面
学校運営の形によると思いますが、私立高校だったため教職員の異動がなく風通しが悪かったです。
上司の考えが凝り固まっており、若手教師の意見が反映されない職場だったので、心を無にして業務にあたりました。
また、生徒の登校拒否では複雑な問題が絡み合っており、到底教師や学校の力では解決できない問題(ネグレクト・ごみ屋敷)に力の及ばぬ悔しさがありました。
転職のきっかけは「虚無感」
転職のきっかけは、仕事や職場に対する虚無感です。
- 考えを受け止めてくれない、対応してもらえない上司らの状況
- 中堅の同僚の目の輝きのなさ(諦めている)
これ以上、業務の効率化や古くからの仕組み再構築するために働きかけても困難なのだという状況に、勤務5年目頃から虚無感を抱き始めました。
そこからは、小さな虚無感の積み重ねが続き、精神的に夜眠りが浅い日々が続き転職を決意しました。
私立教員から30代後半で2度の転職を経験(どちらも未経験の異業種)
ハナ先生は税理士事務所に転職しますが、その後は社会福祉法人に再転職を果たします。
どのような運びで転職を重ねたのかお話していただきましょう。
30代教員、転職活動の明暗
転職活動では、教員はある程度の知識と人格が担保されているというプラスのイメージを持ってくださる企業が多かったのはよかったです。
教員として培った能力を前面にアピールした転職活動が可能でした。
一方で、「先生」と呼ばれる立場で働くことで、思い上がりの気持ちが知らないうちに生まれていたことに気がつきました。
転職活動の面接の際に、そのような気持ちが言葉の端々に滲み出ます。その点は、苦労しました。
採用面接での失敗談
税理士事務所の面接時、お客様への営業の考え方を問われ「既存のお客様を第一に大切にすること」と答えました。
私の勤務していた私立高校は生徒募集には不自由しておらず、募集活動を活発には行っていなかったのです。
「お客様への営業」などは考えたこともなく、ましてや頭を下げてお客様の元を訪ね歩くことに、先生をしていた立場からのギャップの切り替えに苦労しました。
最初の転職先で気づいた「人恋しさ」から再転職
最初の転職先は税理士事務所です。
簿記の資格を取得すると比較的応募の幅が広がることが決め手となりました。
しかし、会計ソフト入力や1円の誤差を追っていく世界に「人と接したい」という気持ちが強くなりました。
結局、税理士事務所を退職し、社会福祉法人に転職しました。
現在も市より委託を受け総合相談窓口勤務しておりますが、教員時代より年収は100万弱下がりました。
しかし、有給消化率100%・残業は全くない環境を手に入れました。
教員時代に培ったプレゼン能力やコミュニケーション能力は、対人援助職として大いに役立っています。
異業種への転職で使った転職エージェント
転職活動では、下記2つの転職エージェントに登録・利用しました。
サポートの質も高いですから登録しておきたいエージェントですよね。>>リクルートエージェントで30代ママが電話面談した感想
一方で、マイナビエージェント
転職中は精神的に不安定になりやすいので、精神面でも支えてもらえた体感をもっています。最終的にはマイナビエージェント
転職エージェントはそれぞれの良さを活かすために複数登録がおすすめです。
とくにリクルートエージェントとマイナビエージェントは教員からの転職成功者が実際に利用していて人気が高いですよ。
関連:教員におすすめの転職エージェント10選
私立教員からの2度目の転職で、満足いく仕事に出会えた
私は教員から転職して満足しています。
今は、我が子との時間をしっかりと確保する事が出来ますし、持ち帰りの丸付けもないので、休日もしっかりと脳内をリフレッシュする事ができます。
相談援助職で教員経験が活きている
最初から(社会福祉法人の)相談援助職として勤務していたら得られなかった視点があると現在の業務の中で感じることが多いです。
相談援助職としてすぐにサービスや支援につなぐだけではなく、まずはその人の現存する力の活用や信頼関係作りを最も大切にする視点を持ち業務にあたることができています。
結果論にはなりますが、
- 授業で培ったプレゼン能力
- 保護者からのクレーム対応
- キャッチコピー作成能力
- 長時間労働への耐性
など教員の経験があるからこそ身に付いた心身の体力を得ることができました。
関連記事【自己PR文に書ける】教員の転職で役立つ7つの強み(スキル)を紹介
生徒の笑顔を見られないこと以外に後悔はない
教員から転職して後悔していることはありますか?
子どもの笑顔を見ることが出来なくなったことは残念ですが、その他は全く後悔はありません。
「やりがい搾取」と言われるように、子供が好きという気持ちで踏ん張っている先生も多いですが、労働時間はまさにブラック企業そのもの。
転職すれば、本来は当たり前の事なのですが過重労働や違法労働から解放されます。
教員が転職活動をするメリットは大いにあると思います。
関連記事教師を辞めてよかったこと5つを元教員が告白。経験者の声も紹介
私立教員でも30代後半で未経験でも異業種に転職できる!
どの道が正しいのかは分かりません。世間的には安定職と言われる教員からの転職、揺れる想いもあるかと思います。
まずは、今教員として勤務している自分自身を褒めて欲しいと思います。
転職はたくさんの気力と勇気を必要とします。ましてや、教員として働きながらの転職は本当に大変だと思います。
しかし、転職をやってのけることも、今後の自信や能力となっていくことでしょう。
転職先でうまくいかなかったらまた転職してもいい。
私は教員からの転職後、一度税理士事務所へ勤務しましたが、人とコミュニケーションがとりたくて仕方がありませんでした。
以前は職員室での人間関係や子供達との接し方について疲弊していました。ですが、いざ人との距離が離れて恋しくなった時、私は人に関わる仕事がやりたいのだと分かりました。
そのことに気付く機会をもらえた税理士事務所には感謝しています。
そして、現職の相談援助職では人との関わりを深く持ち、信頼関係を構築していきながら支援する業務に就いています。
もし、教員から1回目の転職で「何か違う」「苦しい」と感じたら、また転職していいと思います。
自分がどんな事を苦しく感じて、充実感や喜びを感じるのはどんな時なのかを自己分析しながら、そして「教員として頑張れた自分」を支えにしながら少しづつ前に進んでください。
教員から1度目の転職先での挫折があったから、2度目の転職先でやりがいを持って働いている今の私がいます。
逃げ道を用意しながら、追い込みながら、バランスをとって転職活動が出来ますように。
先生方の輝ける場所が見つかることを心から願っています。
ハナ先生が利用した転職エージェント2つ
- リクルートエージェント:教員からの転職成功者がもっとも利用(当サイト独自調査)
- マイナビエージェント:親身で手厚いサポートが魅力
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