教員からの転職体験談をシリーズで紹介しています。
この記事では女子校教員からWEBライターへ転職したクラモチ先生の経験談を紹介します。
私は現在37歳、今年の春まで私立校(中高)で国語科系教員として14年間勤務していました。新卒から学校に勤め、最後の数年間は学年主任も務めましたが、教員としての限界を感じ、新しいチャレンジに踏み出しました。
- 名前(仮名):クラモチ(女性)
- 転職時の年齢::36歳
- 経歴:私立学校(中高女子校)の国語科系正職員14年
- 転職先:フリーライター、学生向けキャリア支援
- 転職活動を始めてから実際に退職するまでの期間:1ヶ月程度
この記事では、私が教員を辞め、フリーランスのWEBライターに転職した体験談をご紹介します。教員からの転職を決めた理由や転職活動の進め方、転職後の変化までお話するのでぜひ最後までご覧ください。
女子校教員から転職を決めた3つの理由
私が教員からの転職を決めた理由は3つです。
①残業130時間越え!拘束時間が長い
1つ目の転職理由は、拘束時間が長いことです。
勤務時間は8時から、授業自体は朝8時半開始ですが、多くの生徒が始業の30分前には登校しています。クラブの朝練習がある生徒の中には6時頃から登校している子もいました。
始業前に授業の質問をしにくる生徒もたくさんいますし、他愛ない雑談を楽しみに職員室を訪ねてくれる子もいます。
できる限り対応してあげたいと考えると、どうしても早く出勤せざるを得ませんでした。
そのため、大体毎朝7時頃には出勤し、クラブ活動の練習を手伝ったり、生徒の質問に答えたりしていました。
放課後も同様です。17時終業でしたが、クラブ活動や補講をこなし、その後テストの採点や授業準備をするため、学校を出られるのは毎日早くても20時頃。
しかも、残業代がないため毎月130時間ほど残業をしても給料は変わりませんでした。
私だけでなく、ほとんどの同僚が同じような働き方をしていました。
20代のうちは気力で乗り切っていましたが、30代になると「この長い拘束時間で働き続けるのは無理だな」と思うようになりました。
②休日出勤手当が安い!代休も取れない
2つ目の転職理由は、休日出勤が多いことです。
教員には授業の他に、学校説明会や進路フェスタなどの仕事があります。クラブ活動で試合などがあるとその引率もしなければなりません。
休日出勤の特別手当は金額的には安く、代わりの休暇も取れなかったので、心身共に厳しさを感じました。
③3時間相談も!保護者対応が大変
3つ目の転職理由は、保護者対応が大変なことです。
私が勤めていたのは女子校だったこともあり、生徒同士の人間関係も難しく、保護者の方から相談のお電話が頻繁にかかってきました。
「娘が隣の子を嫌いだと言っている」のようなお話から、「1人だけ派手なお弁当を持ってきているクラスメートがいるらしい」という噂話、また、親子関係や夫婦関係の悩みなども多かったです。
教員を信頼して相談してくださることは非常に嬉しいのですが、1度お話が始まると2~3時間話し続ける保護者の方も多く、その対応に当たっていると他の業務がなかなか進まず苦労しました。
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女子校教員からwebライターへの転職活動について
私の場合は教員になって4年目の夏から副業でフリーランスのライターをやっていました。
もともと文学部出身で学生時代から比較的書くことが得意だったこともあり、感覚としてはお仕事というより実益を兼ねた趣味でした。
ライターの仕事は本職の繁忙期は休みを入れつつ、コンスタントに10年近く続けており、ある程度の収入も確保できていたため「いつか1回、ライターの仕事1本でもやってみたいな」と考えるようになっていました。
学年主任を何度か経験させてもらい、異動になるタイミングで、今までの夢を叶えた形です。
教員からの転職活動の流れやスケジュールは下記の記事にまとめているのでご覧ください。
女子校教員からwebライターに転職後の変化
教員から転職した後は、生活リズムが変わりました。
教員時代、朝は4時起きでしたが、現在は7時頃まで眠ることができています。睡眠時間を確保できているため体調不良になることも減りました。
また、自分の好きなことを思いきりできているので、毎日楽しく過ごせています。
ただ、すべて自分で責任を持つ必要があるのは緊張感がありますね。
年収の変化|教員時代とほぼ同額
教員時代の本業での年収は450万円〜500万円でした。副業が本業になるため副業分の収入はなくなりますが、本業だけで考えるとほぼ同じくらいの年収になりそうです(現在転職1年目のため見込み)。
ライターの生活サイクルに慣れたら、また別の副業を始めたいと思っています。
働き方の変化|1日の労働時間5~6時間に!
時間ではなく成果報酬的な働き方になったため、効率よく仕事を終わらせる工夫をするのが楽しくなりました。
1日の労働時間も5〜6時間程度になり、体力的にも精神的にもゆとりができたと思っています。
通勤に往復3時間ほどかかっていたため、それがなくなったことも大きな変化です。
休日の過ごし方の変化|仕事と余暇のバランスをコントロール
教員時代は、休日になると疲れ切ってしまい、ほとんど寝て過ごしているような状態でした。
家事をやったら御の字というほどで、夏休みなど長めの休暇以外にはどこかに出かけることはありませんでした。
フリーランスになってからははっきりとした「休日」がなくなり、365日なんらかの仕事をしているようになりました。お仕事がたくさんあるということもありますが、ライターは1日休むと執筆スピードが落ちるため、あまり明確なお休みを入れたくないという理由もあります。
ただ、1日の勤務時間は教員の頃の半分ほどなので、体力的も精神的にも余裕がある状態です。仕事を終えたらそこから「休暇」にし、美術館や映画館に行くことが増えました。
教員から転職してよかったこと|自分のペースで働けて最高
転職して最も良かったのは「自分のペースを守って働けるようになった」ことです。学校では毎日イレギュラーの連続でしたが、現在は成果報酬型の仕事なので、比較的自分で組んだスケジュール通りに動けており、振り回されるストレスが減りました。
転職して後悔していること|転職後の後悔はないが…
転職前にやっておけばよかったこと
フリーランスの場合、税金の納め方や社会保障などが会社員とは大きく異なります。税制についてあまり調べず転職してしまったため、手続きに手間取りました。転職前、もしくは転職活動中に前もって調べておけばと後悔しました。
転職して後悔していることはほとんどありません。ただ、学校という大きな組織でできていたような大掛かりなプロジェクトへの参加は難しくなったので、それは少し残念です。
教員からの転職を考えている先生に向けてアドバイス
全く違う職種を目指す場合、まずは副業で様子を見て「本当に自分に向いているかどうか」を見極めることをおすすめします。
副業することで、教員という職業の良さも悪さも、客観的に見られるようになりますよ。
教員におすすめの副業をまとめています!
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