
この記事を書いているのは、元高校教員(社会科、勤続7年)のみずきです。
転職した元同僚教員5人の事例も踏まえた上で、調査・執筆しています。
授業準備や保護者対応、部活指導に修学旅行の引率・・。教師の仕事は多岐にわたる大変な仕事ですよね。
本当に教員から転職できるか不安に思っていませんか?確かに教員から民間企業への転職は簡単でありません。しかし、戦略的に転職活動を行えばあなたの望む働き方ができる仕事に転職できます。
この記事では、教員からの転職を成功させるコツや年代別の転職事情、転職先を解説します。教員からの転職を成功させたい方は最後までお付き合いください。
もくじ
教員からの転職を成功させる3つのコツ
教員からの転職を成功させるポイントは3つです。
- 教師から転職したい理由を明確にする
- 譲れない軸を基準に企業を選ぶ
- 転職サイト・転職エージェントを活用する
①教員から転職する理由を明確にする
まずは、教師から転職したい理由を明確にしてから職種を選びます。
転職したい理由を明確にすることで、転職先の大体の方向性が見えてくるからですね。
たとえば、下記のようになります。
- 学校以外で教えたい⇒学習塾・各種スクール
- 収入が低くてもいいから定時で帰りたい⇒事務職
- モチベーション上がるように成果が数字で見える仕事がいい⇒営業職
- こどもと接するのに疲れた⇒介護職、事務職、営業職

②譲れない軸を持って企業を選ぶ
次に、妥協できない条件(軸)を考えて、企業を選別していきます。
具体的には、福利厚生、年間休日、収入、やりたいこと、やりたくないことなどで優先順位を付けていきます。
- 優先順位1位:残業が少ない・19時までには帰宅したい(やりたくないこと)
- 優先順位2位:教育関係の仕事(やりたいこと)
たとえば、上記のケースだと「学習塾には転職しない方がいい」と判断できます。
教育関係の仕事に就きたくても、夜遅くなる学習塾は向いてないですよね。

③転職サイト・転職エージェントを活用する
最後に、転職サイトや転職エージェントを使いながら実際に転職活動を開始します。
教員の転職活動の方法としては下記3つがあります。
- 知人の紹介(コネ):ただし、トラブルあったときには知人に迷惑がかかることも。
- 転職サイトを通して求人に応募する
- 転職エージェントを利用する:転職サポートや求人紹介を無料で行ってくれるサービス
使えるものは全部使って理想の求人を探していきましょう(コネはご縁があれば)!
転職サイトでは公開されていない求人(非公開求人)に出会えるのが、転職エージェントです。
とくに、教員は就活・転職をしたことない方が多いので、転職ノウハウや企業情報の提供、面接対策などのサポートを【無料】で行ってくれる転職エージェントの利用はマスト。
おすすめの転職エージェントについては、教員の転職には転職エージェントが必須!おすすめ10社を元教員が厳選で詳しく解説しているのでご覧ください。
【教員から転職】年代別の転職事情

教員からの年代別転職難易度(Education careerを参考に筆者まとめ)
教員からの転職難易度は年齢ととも上がっていきます。それぞれ詳しく解説していきますね。
【20代教員】民間企業・異業種にも転職しやすい
20代は実務経験がなくても転職できる可能性があります。
特に、20代前半は企業側も第二新卒扱いをしているからですね。
20代前半はまだ具体的なスキルや実務経験に乏しいですが、企業側も即戦力ではなくても将来性を見越して採用してくれることが多いようです。
つまり、教員であるか否かは他の企業の第二新卒と比べて大きな問題にはなりません。
20代教員の転職については、教師からの転職は20代ですべき!失敗しないポイントを元教員が解説で詳しく解説しています。
【30代教員】異業種の転職は厳しいが、可能性はゼロではない
30代になると、教員から他の業種に転職できる可能性は低くなってきます。
ただし、類推して活かせるような経験やスキルがあれば転職は可能です。
新卒と比べてしまうと難しくなりますが、「あなたの持つ経験やスキルを転職したい職種でどう生かせるか」をうまくアピールすることができたら転職は可能です。

【40代教員】転職自体厳しいが、教育系やコネがあるなら可能性あり
一般的に、40代になると転職自体が難しいです。
優れた実績や即戦力となるスキルがないと採用が難しくなる年代だからですね。
教員から転職したい場合には、教員として培った経験やスキルが生かせる教育業界への転職が現実的な選択肢です。
40代は年収・退職金の問題や転職の難しさから、転職を諦めざると得ない人が多くなります。

教員からの転職先10選(教育関係・未経験)
教員から人気の転職先を教育関係5つ・異業種5つの合計10つ紹介します。
教員免許が活かせる転職先5選
教師の転職先としては、経験を活かせる教育関係の仕事が人気です。
教員免許が活かせる転職先5選
- 学習塾
- 各種スクール
- プロ家庭教師
- 教育関連企業
- 学童保育
学習塾・各種スクール
教師の転職先としてもっとも多いのが、学習塾・各種スクールです。
人に教える経験をダイレクトに活かせる転職先なので、教員と親和性が高い職種になります。

現場の教員でも学習塾経験者の方は多かったので、求められるスキルはかなり近いです。
学習塾は人材不足なので、教員からでも転職しやすいという事情もあります。
教育関連企業
教材製作・学習アプリの開発などの教育関連企業も教師の代表的な転職先です。
たとえば、こどもチャレンジで有名なベネッセやスタディサプリを運営するリクルートマーケティングパートナーなどですね。
直接教える仕事ではありませんが、教材を通して間接的に教育に携わることができる仕事です。
未経験でも候補に入る転職先5選
一方で、教員から未経験・異業種の職種に転職される方も多いです。
未経験でも候補に入る転職先5選
- 営業職
- 事務職
- 介護職
- インストラクター
- IT業界
- 勤務時間を重視する方だと、残業の少ない事務職
- 体育教師はスポーツインストラクター
- 教員のケアの精神を活かせる介護職
- 情報の先生だとIT系の企業
などなど、得意分野を活かして転職する方も多いですよ。
営業職(業界問わず)
人と話すのが好き・得意な教員は営業職にも向いています。
結果が見えやすい仕事でもあるので、数値で仕事のモチベーションを上げたい人はやりがいを感じられます。
介護職
ホスピタリティ、ケアの精神が必要な仕事。
一人一人に気を配って、多様性・尊厳を大事にするところは教員と似ていますよね。
常に人手不足で将来的にも需要が高まる職種なので、安定を求める人は選択肢の一つとして考えてもいいと思います。
事務職
プライベートの時間を確保したいという理由で、事務職に転職する人もいます。
ワード・エクセルなどの基本的なパソコンスキルがあればOKという求人も多いです。
教員や他の職種と比べると残業が少なめなのも魅力ですね。

【実例】元同僚教員5人が転職した職種
一般的には教員の転職先は教育関係の仕事、と思われがちですが、実際はどうなのか。
転職した同僚教員5人に転職先を教えて頂きました。
- 教育系:0人
- 異業種:5人(事務職・出版・営業職・ブライダル関係・映像系)
皆さん、教育とは無縁の職種に転職していきました。
趣味・特技を活かした仕事に就く、副業を本業にするなど、経験とスキルを武器に転職した方が多い印象です。

教員の転職がスムーズにいかない要因7つ
教員の転職が難航する理由としては、下記7つが挙げられます。
- 民間で即戦力となるスキルに乏しい
- 転職活動する時間がとれない
- 転職すると年収が下がることが多い
- 「元教員は偉そうで使いにくい」と思われる
- ビジネス感覚・コスト意識が低い
- 仕事の実績や成果を客観的にアピールしづらい
- 転職ノウハウを知らない
詳細は下記の記事をご覧ください。
-
教員からの転職が難しい理由と対策を元教師が解説
続きを見る
何も対策を取らないで転職活動すると、希望の職種に転職するのは難航するかもしれません。
でも、適切な転職活動のやり方を知っていれば、教師からの転職は不可能ではないですよ。
教員から転職したい理由
教員を辞めたい・転職したいと思うことは誰もがありますよね。>>教員を辞めたい人へ!今後の選択と対処法7つを元教員がアドバイス
教師から転職したい理由は大きく分けて、
- 人間関係の悩み(同僚・保護者・生徒)
- 長時間勤務・多忙
- 仕事とお給料が割に合わない
- 結婚・出産後の生活を考えてやむなく
などがあります。
私の場合は、結婚・出産後に働き続けられるのかという疑念が大きかったですね。>>教師を辞めてよかったこと!元教員の経験談【辞めるのもったいない?】
教員から転職するデメリット
結婚するからって、教師を辞めたけど、そんな理由で辞めなきゃよかったな。
— こゆ (@ko0629yuki) August 16, 2011
女性
結婚するからって、教師を辞めたけど、そんな理由で辞めなきゃよかったな。
教員をなんとなく辞めてしまい後悔しているという声です。
後悔しないためには、教師を辞めたい理由は何なのかを明確にする必要がありますね。
教員から転職して後悔するパターンは、たとえば下記5つです。
- 教員時代よりも年収が低くなった
- (生徒に会えなくて)寂しくなった
- 転職先がブラック企業だった
- 転職先でうまくいなくてプライドがズタズタ
- 教師が嫌で辞めたのに、同じような仕事(塾など)に就いてしまった
辞める前になぜ転職したいのかを明確にして、適切な方法で転職活動を行うことで失敗(後悔)を防ぐことができますよ。
-
教師から転職して後悔したこと5つと注意点を元教員が解説
続きを見る
教員から転職するメリット
私の場合、実際に教師を辞めてよかったことが下記5つありました。
- ストレスが激減(特に対人ストレス)
- 教師ではない、ありのままの自分でいられる
- 休日に自由にふるまえる(教師らしくいる必要がなくなった)
- 心配事がなくなり、よく眠れるようになった
- プライベートの時間を持てるようになった
私は授業準備(教材研究)を納得できるまでやってしまうタイプ。
時間があれば授業のネタを探したり細案をつくったりして、プライベートの時間がなかなか取れませんでした。
また、勤務校が荒れてたこともあって対人ストレスもかなりありました(当時は自覚なし)。

また、教員から転職した方には「教師をやめて後悔していない」という声が圧倒的に多かったですよ。
-
教師を辞めてよかったこと!元教員の経験談【辞めるのもったいない?】
続きを見る
教員から転職するのは年度末が無難
教員の転職は圧倒的に年度末(3・4月)が多いです。
引継ぎなどの問題があるので、早めに転職活動を開始していきましょう。
>>【決定版】教師の転職活動のやり方!開始時期・スケジュール・方法・注意点を解説
教員から転職したい人は早めに行動開始しよう!
まずは、教師を辞めたい理由やどんな仕事なら自分の理想の人生が実現できるかを考えます。
これが企業を選ぶときの軸ですね。
次に、転職を決めたときにはすぐに行動を開始するのがポイントです。
転職は若いほど有利だからですね。
そして、転職サイトや転職をサポートしてくれる転職エージェントを活用して、自分の軸で企業を選んでいきましょう。
-
教員の転職には転職エージェントが必須!おすすめ10社を元教員が厳選
続きを見る
-
【決定版】教師の転職活動のやり方!開始時期・スケジュール・方法・注意点を解説
続きを見る