「高校教師(非常勤講師)を辞めたい…。でも、本当に辞めていいのかな。辞めたあとの生活や仕事が不安」
このような悩みを抱えながら、私は7年続けた高校教員(非常勤講師)を辞めました。
高校教員を辞めたいけれど迷いを抱えている方に向けて、31歳で私立高校を辞めて在宅ワーカーになった私の実体験をお話します。
元高校教員(社会)のみずきです。主に偏差値30台の教育困難校で勤務していましたが中途退職しました。
「高校教員がつらくて辞めたい、でも辞めたあとの生活が不安」というジレンマを抱える方が、少しでもラクになれるように、私が7年間務めた高校教師(非常勤講師)を辞めた理由や体験談をお話します。
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私が高校教師(非常勤講師)を辞めたいと思った理由
はじめに、私が教員を辞めたいと思った理由をお話します。
私の主な勤務校は偏差値30台の私立高校、いわゆる教育困難校です。
非常勤講師だったので、進学校を掛け持ちしたり、その後は夫の都合で地方私立高校に転勤したりといろいろありました。最終的には教員7年目で中途退職しました。>>教員を年度途中で辞めるのはアリ?
7年間の教員生活で散々「辞めたい…!」と悩んできたので辞めるまでの経緯をお話しします。
1年目|教育困難校(A校)で学級崩壊
教員1年目で勤務したのは偏差値30台の私立高校(A校)です。社会科の非常勤講師として採用されました。
最初の日に、「(荒れてるから)ここで教員やれたらどこ行ってもやっていけるよ」とベテランの先生に言われたのが印象的でしたね。
実際、クラスの多くが男子生徒で、新卒・女性・完全に教員経験0だった私は当時めちゃくちゃ舐められました。
- 「〇〇ちゃん」とあだ名で呼ばれる
- 授業中に私語でうるさい
- 「マジつまんねー!」と授業中に言われる(複数人)
- 授業中に生徒がゲーム開始
- 「〇〇先生だったらこうするよ?聞いてきたら」と授業中に言われる
うん、思い出しただけで動機がしてきました(苦笑)。
多分だけど、学年主任の先生にも直接文句を言われてたと思います。何回か学年の先生が授業見学(という名の見回り)に来てくださったので。
1ヵ月目ですでに私語がひどく、悩んで同期に相談しました。
でも、同期には「僕のクラスは問題ない」と言われてしまい(真偽は不明)、「こんなにうまくいってないの、私だけ?」と、問題を抱えて込んでしまうように…。
結局、有効な手立てがないまま多くのクラスで荒れが加速。1学期にはもう学級崩壊と呼べる状態でした。
どんなに頑張って荒れる一方だったので、私はGW明けくらいから
- 激しい頭痛
- 倦怠感
- 授業前に足が動かない
といった症状に襲われ始め、毎日のように辞めたいと悩んでいました。
しかし、来年度の更新も決まっており、心身にダメージを負いながらも仕事に追われて忙しく1年目が終わっていきました。
教員を辞めたい初任の方は>>教員辞めたい初任の方へ!退職した元教師からのメッセージもぜひご覧ください。
2年目|掛け持ちで限界・学級崩壊
「1年目の反省を生かせば大丈夫!教材研究も1度やった内容だからいける!」と思っていたのですが、教員1年目より酷く荒れました。
2年目は授業数の関係で他校(進学校のB校)と掛け持ちをしており、体力の限界だったこともあります。あとは、あるクラスで生徒指導がうまくいかなかったんですよね。
- A校の授業で生徒から人格否定の暴言を毎日繰り返される
- A校で生徒指導がこじれて脅迫まがいのことをされる
正直、人生で初めて生命の危機を感じました。
担任の先生に相談したのですが、裏目に出て余計生徒との関係が悪くなってしまいます。
この生徒とは卒業前には関係修復できたので、当時の私の力量不足と指導のタイミングや連携が悪かったんだと思います。
振り返ると、教員2年目が教員辞めたい気持ちのピークでした。
メンタルを維持するために転職サイトで求人眺めたり、非常勤で掛け持ちしていたB校の指導に集中したりして何とか日々を過ごしていました。
進学校(B校)の生徒からは授業好評だったので、「生徒指導の方法さえ身に付ければ教員続けられるかも?ここで辞めるのは悔しい!」と思って2年目を終えました。
3年目|将来に希望が持てない
3年目は掛け持ちを辞めて教育困難校(A校)に一本化。
実は、このときから落ち着いて授業ができるようになりました。
環境的には変わらず大変だったんですが、
- 学校に慣れてきた
- 教材研究や生徒指導のコツがわかってきた
- 生徒や同僚との人間関係が築けてきた
これらが大きかったです。
初任のときに受け持った生徒から授業がおもしろいと言ってもらえて「教員続けてきてよかった、少しは成長できた」と感じてました。
しかし今度は、仕事が忙しすぎて疲弊していく同僚を横目に、「今後子どもを産んだら子育てと両立して働けるだろうか」と悩み始めました。
ちょうど結婚したのもあり、正規教員(専任教員)を目指すべきか、非常勤講師を続けるか、転職して他の仕事を探すべきかで悶々としていましたね。
6年目|雇い止めで絶望
初任の頃からお世話になっていた教育困難校(A校)ですが、この年に5年ルールを理由に雇い止めを宣告されました。私だけではなく、基本的に講師の先生すべてが対象です。
正直、これは相当つらかった…。
来年度の面談で雇い止めを通告された次の日とか本当に学校行きたくなかったです…。
教員の仕事は好きなんですが、雇い止めが横行する学校教育の現場でこれからもやっていけるか不安になり、絶望しました。
学校や生徒のためにどんなに努力して尽くしても、結局は経営のために切られる。使い捨てのコマのような扱いを受けて辛すぎました…。
ちょうどこのときに夫の単身赴任先に引っ越すことになり、新しい土地でまた教員の仕事(非常勤講師)に就きました。
7年目①|新しい学校に馴染めない
7年目は地方の私立学校(C校)で勤務開始。ちなみに偏差値は50弱くらいです。
教育困難校(A校)で安定して授業ができるようになったので、新しい学校でも大丈夫かと思っていたのですが、全然違いました。
まず、生徒は授業妨害はしないけど「積極的に授業に乗ってこない」。「めんどくさいことしないで、テスト出るとこだけ教えて?」という感じで複雑でしたね。
次に、職場の人間関係になかなか馴染めませんでした。
これまでの勤務校は割とドライで雑談をしても仕事に関することだけという雰囲気。
でも、新しい学校では前日のドラマの話や自分たちの子どもの話など、同僚の先生たちは勤務中でも「ママ友会」。
本当にずっとおしゃべりしていて仕事にならないので、集中したいときは私だけノーパソもって図書室に避難して仕事していました。
そして、仕事自体もきつかったです。
- 前任校より1コマ当たりの給料が下がった
- 非常勤だったが「週6勤務・すべて1時間目から・18コマ・3科目」
- ICTバリバリなので毎時間パワポでスライド作成
- これで月給13万ほど
でも、授業は頑張りたかったので、平日は23時まで、土日もずっと教材研究してました。
この時、当時は気づかなかったけど、相当ストレスがかかっていて無理していたようです。
ある日、自宅近くの横断歩道で「私の人生詰んだ、なんかもう疲れたな」と思って、次に「一歩踏み出して車にはねられたら明日から仕事行かなくていいな」と考えてたときにはゾッとしました。
辞めたいとか考える前に限界だったみたいです。
なぜかこのときは転職や退職する選択肢が全然頭になくて、ただ楽になりたいとだけ考えていました。
7年目②|妊娠後の体調不良での出勤
結婚後なかなか子どもを授かりませんでしたが、この年に妊娠。
ですが、すぐに重度のつわりと切迫早産で自宅安静の指示が出て、結果的に教員を辞めることになりました。
当時はつわりでほとんど水も飲めない中で通常授業、試験問題作成・監督・採点。更衣室のパイプ椅子で伏せながら、トイレとお友達になりながら仕事こなしてました。
教員の仕事は体力勝負、体調不良を抱えながら仕事を続けるのは不可能でした(詳しい経緯は教員を年度途中で辞めるのはアリ?にて)。
退職後に無事出産し、現在は自宅で子どもを育てながら、WEB系の仕事をしています。
高校の非常勤講師を辞めたいときに転職活動しておけばよかった
振り返ると、教員の仕事は好きでしたが、人間関係や学校との相性が悪かったり、雇い止めにあったりして、辞めたいと思う機会は多かったです。
ただ、教員をいきなり辞めることになって後悔したこともあります。>>教員辞めて後悔した3つのこと
お金の面で言えば下記ですね。
- 非常勤だったので退職していきなり収入は0
- 育休なし(手当もなし)
仕事がなくなって社会的な地位を失うだけでなく、収入が0になってメンタル面でも不安になりました。
子育てのことを考えたら、辞めたいと思ったときに、一度他の仕事に転職して正社員になっておけばよかったです。
私は転職サイトの求人を眺めながら「今の仕事の方が恵まれている」と言い聞かせていましたが、教員にはいつでも戻れるから一回くらい民間企業を経験しておけばよかったなと思っています。
やっぱり子育てと教員の両立は難しくて、子ありの30代で転職活動ってなるといろいろと制約もでてきて大変だからです。
それに転職活動を通して、自分にはやっぱり教員が向いていると気づけたらそれはそれで幸せですもんね。
教員を辞めるか悩んでいるなら、転職活動を通して自分の人生や大切にするものを整理してみてください。
教員以外の選択肢を知ることで、「教員を辞めて転職する」のか「このまま教員を続けるのか」を自分軸で判断できるようになるはずです。
関連記事30代教員でも転職できる?成功のコツや転職先、経験談を元教員が徹底解説
高校の非常勤講師を辞めたいと悩んだら教師以外の道も考えてみてほしい
私が教員生活の中で「辞めたい」と悩んだときは、何らかの行動を起こしたいときでした。
むしろ、現状でしか生きる選択肢しかないときにはただ絶望してた。道路に飛び出しそうになってた。
だから、教員辞めたいと思っているあなたには、まずは一度教員以外の選択肢もあることを知ってほしいです。
ほかにどんな仕事に就ける可能性があるのか、現状よりももっと幸せに働ける職場環境があるかを。
教員だけが人生じゃない。これは教員を辞めてから痛感してます。>>教師を辞めてよかったこと5つを元教員が告白。経験者の声も紹介
ということで、教員辞めたいと思ったら転職活動してみると後悔しにくいよというお話でした。
転職を考えている先生へ
教員の転職は早い方がいいのは間違いないですが、自分の市場価値ややるべきことを明確にするために、転職のプロである転職エージェントに相談してから行動することをおすすめします。
無料で求人紹介や転職サポート(書類添削・面接対策)をしてもらえるので、数多くの教員からの転職経験者が利用しています。>>教員におすすめの転職サイト・エージェント
私は
>>【実体験】リクルートエージェントで30代ママが電話面談した感想
もう限界ですぐ辞めたい、引き止めに遭っている、パワハラで退職を切り出せないという方は退職代行もアリ。教員(公務員)でも利用できます。
>>教員が退職代行を使う注意点やおすすめ4選を元教師が解説
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